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とある日の黒沢俊一。 9
「ま、待っへくままいほー」
もぐもぐとさせながら黒沢の隣を歩く。
「はは、全く。口に物を入れながら喋るんじゃない」
「んぐ。 だって!部長が先行っちゃうからでしょう!」
黒沢は顔を赤くしながら文句を言う自分より少し背の高い部下を見上げ笑った。
「ふ、お前は揶揄い甲斐があるな。 さっきの反応も中々に面白かった」
「んなっ さっきのは部長が!」
「はははっ」
さらに顔を赤くさせワタワタとする高橋に思わず声を上げて笑う。
「っもう! 部長~!」
クツクツと喉の奥を鳴らし笑いながら前を歩く黒沢とそれを文句を言いながら追う高橋。
2人はそのまま帰社した。
途中コンビニに寄り、アイスを奢ってやれば
いつも通り機嫌も良くなった高橋。現金である。
およそ上司と部下に見えないが
これでも上司と部下である。
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