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とある日の黒沢俊一。 10

帰社し、自室に戻れば、出る時にはなかった書類の小山ができていた。 溜め息を吐いたのは仕方ないだろう。 黒沢は時計を見、終わらせる目処をつける。 この後15時から開発と打合せが入っている。 それまでに終わる量ではあるが、合間に仕事が入らない訳もないので今日は残業コースかと少し憂鬱になった。 思っても仕方ないとデスクに着く。 着々と書類に目を通し片付けていく。 合間に部下を呼びその後の仕事を言い付ける。 部長室の外から部下達は流石だと思い見る。 噂が出た時、一時は信じる者もいたようだが 黒沢の仕事を見ているとすぐにそんな考えは消え去った。 顔が良いだけではなく仕事もできるこの男が自分達の上司なのだと誇りに思う。 この人に着いていこうと思わせるには黒沢の仕事ぶりは十分だった。

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