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ここが、スタートライン 1
それは突然だった。
俺は休日に久しぶりに涼くんを誘って、楽しい一時を過ごそうと決めていた。
そう、決めていたのだ。
金曜の夜に涼くんに連絡を取り、良い返事を貰えたので年甲斐もなく内心浮かれ気分で退社し、浮かれた足取りでドラッグストアに寄り、大人の男の夜のエチケットとしてアレやコレを買って帰った。
そして当日の朝。
約束は昼過ぎだったため、のんびりしているとインターホンが鳴らされた。
随分と早いなと驚きつつも久しぶりに会える喜びで逸る気持ちをどうにか抑え玄関へ向かう。
「やぁ、涼くん早かった、な」
俺は言葉を失った。
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