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ここが、スタートライン 5

写真には当然だが女性が写っていて 着物の似合う、色白で大和撫子と形容するに相応しい娘だ。 世間一般、誰に聞いても美人というだろう。 しかし… 涼くんのほうが美人だ。断言しよう。 俺が見合い写真を見て黙ったので 熱心に見ていると勘違いしたのか 「綺麗な方でしょう。俊一さんも気に入ると思って、この縁談を持ってきたんですよ」 と母の機嫌のいい声が言った。 確かに美人だ。好みの部類のように思う。 だが、俺には涼くんがいる。 「確かに美人で見るからに良家のお嬢さんという感じですね。ですが、まだ結婚というのは」 「俊一さん、お見合いは決定事項です。家の事はまた別ですが、早く身を固めて母を安心させてください」 俺の言葉を遮るようにそう言う母に ああ、これは逃げられないなと思った。 「日時と場所は後ほど連絡します。 くれぐれも、逃げないように」

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