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ここが、スタートライン 14

お前はセフレだと言われているようで少し悲しいが、この関係を少しは気に入っているようなので良しとしよう。 「涼くん、顔を上げてはくれないか?」 そろそろ顔が見たいし、君と過ごしたい。 もう俺の見合い話はどうでもいい。 本当に涼くんと過ごす時間がなくなってしまう。 「さっきはすまない。試すようなことを言って。俺はどうにかして相手に振られてくるし、結婚する気も予定も全くない」 だから安心しなさい。 早く俺に可愛い顔を見せて。 そう思いを込めて懇願するように言った。 するとゆっくりとこちらを向き不機嫌な顔を向けてきた。 唇を尖らせているが少しも恐くない。 むしろ可愛いだけだ。 「本当?」 「ああ」 そう言って笑いかけてやると抱きついてきた涼くん。 「うっ」 抱きついてきた、というより突進してきたというのが正しいか。

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