78 / 106
ここが、スタートライン 14
お前はセフレだと言われているようで少し悲しいが、この関係を少しは気に入っているようなので良しとしよう。
「涼くん、顔を上げてはくれないか?」
そろそろ顔が見たいし、君と過ごしたい。
もう俺の見合い話はどうでもいい。
本当に涼くんと過ごす時間がなくなってしまう。
「さっきはすまない。試すようなことを言って。俺はどうにかして相手に振られてくるし、結婚する気も予定も全くない」
だから安心しなさい。
早く俺に可愛い顔を見せて。
そう思いを込めて懇願するように言った。
するとゆっくりとこちらを向き不機嫌な顔を向けてきた。
唇を尖らせているが少しも恐くない。
むしろ可愛いだけだ。
「本当?」
「ああ」
そう言って笑いかけてやると抱きついてきた涼くん。
「うっ」
抱きついてきた、というより突進してきたというのが正しいか。
ともだちにシェアしよう!