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ここが、スタートライン 18

涼くんは俺のスウェットの上を着て俺のカーディガンを羽織っている。 下は下着だけだろう。生足が眩しい。 とても可愛い。可愛いが目のやり場に困る。 「可愛いでしょー」 寝起きだからかどこかぽやぽやとしている喋り方。 いつもより増して小悪魔的に笑う彼に煽られそうになるが我慢して、ベランダから出るように促す。 「可愛い、可愛いから部屋に戻るぞ。身体が冷える」 「えー」 俺に背を押されながら一緒にベランダを後にする。 「ほら、シャワーを浴びておいで」 「えー、やぁ」 「こら、あまり可愛いとまた襲ってしまうよ?」 「きゃー、黒沢さんのえっちー」 まるで恋人のような戯れ合いをしながら涼くんを浴室へやる。 その後に俺も入ろうと準備をしていると 携帯が着信を知らせるように光っていることに気づく。

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