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ここが、スタートライン 23

突然のことに目を見開く。 目線だけで両親や相手方の様子を伺うと 俺と同様何が起きているか理解できず、口をあんぐりと開けている。 そうしている間にも口付けは長く濃厚なものになっていく。 唇を啄むだけだったそれが、徐々に深く、舌を絡ませ水音の出るものに変わる。 「ん、ふ」 どちらのものともとれぬ息遣いが艶かしい。 されるがままだった俺からも次第に応えるようになった。 そして、ふと気づく。 キスを楽しむ余裕が出てきた為か この柔らかで吸い付くような唇の感触を俺は知っている。 ついこの間も、もう何度も味わったことのあるようなこの唇は涼くんのそれと酷似している。 相手の息が上がり漸く顔を離すと 俺たちの間に銀の糸が垂れた。 「はぁっ、りょ」 「は、ふふ、だぁめ」 妖艶に笑う涼くん(仮)に名を呼ぼうとして口に指を当てて止められた。 ス、と立ち上がり見合い相手に向かって 「こういうことなので、ごめんなさいね。 この人、私のなの」 そう笑顔で言った涼くん(仮)。

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