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第七章・2

 ちゃんとノックをして、真輝は寝室に現れた。  彼は、パジャマの上にガウンといういで立ちだ。 「沙穂は、バスローブのままか。寒くはないか」 「ありがとうございます。大丈夫です」  ゆったりとベッドに腰かけ、真輝は軽く沙穂に背を向けた。 (これは多分、こういうことだよね)  沙穂は、彼の体からガウンを脱がせた。  それはサイドテーブルに置いて、再び見つめ合った。 「沙穂。今更のような気がするが、好きだ」 「僕も真輝さんが、好きです」  ああ、いまではすぐに、素直に言える。  9日間共に過ごして判ったのは、今の真輝は心から自分を愛してくれているということだった。  たとえ、お金持ちの気まぐれでも。  たとえ、いずれ捨てられても。 (今は、真輝さんの愛情を、存分に受けられる)  僕は、それだけでも満ち足りている。  沙穂は、真輝に口づけた。  すぐに真輝も、応えてきた。  互いの唇を食み、舌を絡ませ合った。  滑らかな唾液を擦り付け合い、溶け合わせた。 (ああ、ダメ。これだけで、感じてきちゃう) 「ん、ぅん。っふ、ぅ、んん……」  キスをしながら、真輝は沙穂のローブを解いていった。

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