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第七章・3

 初日に付けられた紅い跡は、もうすでに消えている。  真輝は沙穂の白い肌に、新しい刻印をきざんでいった。 「あ、あぁ。真輝さん、待って。まっ……」 (心臓、弾けそう。僕、大丈夫かな。耐えられるかな)  焦る沙穂の胸をさまよっていた真輝の唇は、ついに桃色の乳首をとらえた。 「ぁんッ!」  ちゅぷちゅくと音をたてながら弄られる沙穂の可愛い乳首は、どんどん膨れてゆく。 「あ、んぁ、あ。は、はぁ、はぁ、あぁ!」 「感度がいいな、沙穂は」 (だって。だって、二年ぶりだし!) 「お願い、真輝さん。優しく、して、くださ、あ、はぁ、んッ!」 「大丈夫。優しくするよ」  真輝は沙穂からいったん離れて、小瓶の液体を手に取った。 それを、沙穂の内股にじっくりと塗り込んできたのだ。 「真輝さん、これは?」 「クローブの精油だ」 「ま、まさか」 「勘繰るな、催淫効果はないよ。挿れた時の痛みを、緩和してくれる」 (あ、今夜はやっぱり最後まで……)  それでも、体への負担を考えて精油まで準備してくれる真輝を、沙穂は改めて信頼した。  大丈夫。  この人になら、全てを任せられる。  いい具合にリラックスして、沙穂は真輝にその身体を預けた。

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