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第十章・4

 怪しい媚薬で身体を蝕まれた沙穂は、何度も何度も精を飛ばした。  だが、彼を責め立てる郷は、まだ一度も達していない。 「あ、んぁ、はぁ。あぁ、んぁあ、ぅう、あぁ!」 「そろそろ欲しくなってきたんじゃないのか? 何が欲しいか、言ってみろ」 「……ぐぅ。んっ、んッ、ぅうんッ!」 「ホントに強情な子だ。気に入ったよ」  代わりに言ってあげよう。 「俺の精子が、欲しいだろう。思いきりナカに、種付けして欲しいだろう?」 「っく、ぅぐぅう!」 「くれてやるよ。受け取れ!」 「ん、くぅッ! ぅあ、あぁ。はぁ、あぁあ!」  熱い精が、沙穂の体内を暴れまわった。 (真輝さん……、僕……。僕……)  悔しいが、悲しいが、気持ち悦いのだ。  気持ち悦くって、仕方がないのだ。  思いきり身体を引き攣らせ、沙穂もまた果てた。  その後は、ぐったりと脱力して動けなくなった。 (体、重い。すごく、だるい……)  郷が体内から去り、沙穂は最後の涙を一粒こぼした。

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