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第十一章・6
優しいキスを交わし、真輝は沙穂の肌を撫でた。
良い香りの肌を、ただ撫でて労わった。
時折、唇を落とす。
だがそれは触れるだけで、決して沙穂を唾液で汚しはしなかった。
(ああ、触れられてるだけで、こんなに感じてくる)
アパートは壁が薄いので、大きな声が出せない。
沙穂は声を殺し、喉でくぐもった音を出しながら喘いだ。
沙穂のペニスをそっと扱きながら、真輝は彼の後ろに指を這わせた。
(想像は付いたが、やはり傷つくな)
そこは、充分解れていた。
昼間に、郷が沙穂を犯したからに他ならない。
他の男に、恋人を寝取られた。
怒りは覚えたが、それにも増して沙穂の身を案じた。
(今は、沙穂のことだけを考えるんだ)
Ωの体液の絡んだ指を抜き、真輝はささやいた。
「沙穂、本当に大丈夫なんだな?」
「お願いします。僕には今、誰よりも真輝さんが必要なんです」
解った、と真輝は沙穂の後膣にペニスを押し挿れた。
「っふ、く。んんぁ、はぁ、あぁあ……」
途中、何度も沙穂のナカは締り、そのたびに真輝は硬く膨れてゆく。
(お腹の中で、真輝さんがおっきくなってる……)
やがて、ていねいな抽挿が始まった。
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