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第十二章・4

「おや? 二人お揃いで」 「マスター、開店前に店内へ入って申し訳ない」  すぐに掃除に取り掛かった沙穂が遠くへいることを確認し、真輝はマスターにそっと打ち明けた。 「実は昨日、白洲くんは凌辱されたのだ」 「え!?」 「一緒に食事を、と誘った人間がいただろう。倉木という男なのだが」 「まさか、あのお客様が」 「奴が再びこの店に来ると、白洲くんが心配でね。開店前だが、ここに居ても構わないだろうか?」 「構いませんが。そんな客なら、出禁にしますよ!」  それはまずい、と真輝は憤るマスターを制した。 「奴は、クラキグループのトップだ。店の悪口を、SNSで吹聴されたら終わりだ」 「ぐぅ……」 「大丈夫、私に考えがある。もう二度と、奴が白洲くんに手出しできなくなる方法がある」  そこで、マスター。パソコンとプリンターを持っているかい? 「ありますよ?」  貸してくれ、と真輝は機器のある場所へ行くと、パソコンを立ち上げ操作を始めた。

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