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第十三章・3
「真輝さん。それは、本当ですか」
「天地神明に誓って。愛してるよ、沙穂」
「真輝さん!」
沙穂が抱きついたはずみで、真輝は布団に倒れ込んだ。
その彼の唇に、沙穂はキスをした。
長い、温かなキス。
沙穂がようやく離れると、真輝は少しかすれた声を出した。
「仰向けでキスをもらうのも、いいものだな」
そして、両腕で沙穂を抱いた。
「倉木を刺殺しなかった私を、褒めてくれ。必死で我慢してたんだぞ」
「妬いてくれましたか?」
「妬け死ぬところだった」
じゃあ、今夜は。
「今夜は、僕を好きにしてください」
「いいのか?」
「昨夜はお清めだったから、抑えてくれてたでしょう?」
今夜は、婚約のお祝いです。
「嬉しいね」
真輝は、さっそく沙穂のパジャマをはだけた。
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