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第十三章・4

 沙穂を素裸にしてしまうと、真輝もまた衣服を脱いだ。  二人とも、生まれたままの姿になってしまうと、抱き合った。 「沙穂、いい香りだ」 「またですか?」 「この香りからだったな。沙穂との出会いは」  身にまとう清潔な香りと、心から案じてくれる優しさ。  それを味わった後で、初めて顔を見たのだ。 「きれいな心にたがわず、きれいな顔をしていた」  カフェでの顔、屋敷での顔、そして、今の顔。 「いずれも変わらず、沙穂は美しい。この身も、心も」  抱き合い、肌を触れ合わせた後は、真輝の動きは激しくなった。 (この身体、昨日ほかの男が抱いたと思うと、胸がかきむしられる!) 「あ、はぁッ! 真輝、さん。あぁあ!」  倉木の名を出せば沙穂が傷つくことは解っているので、真輝は無言で彼を抱いた。  ただその行為だけが、雄弁だった。 「んぁあッ! や、ダメっ。で、出ちゃうぅ!」  腹まで反った沙穂のペニスから、精が放たれた。 「挿れるよ」 「あ、待っ……。あ、あぁ、あ!」  イッた直後なのだ。沙穂は慌てたが、真輝はずんと腰を打ち込んだ。 「あぁんッ! ま、また……ッ!」  挿入の刺激で、沙穂はまた射精した。 「いいぞ、沙穂。どんどん吐いて」 「真輝さん、は、意地悪、ですうぅ!」  沙穂が漏らし続ける中、真輝はたっぷりと抽挿を始めた。

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