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第12話
「うっ…くぅっ…んっ…」
風の口から漏れる今まで聞いたことのない甘い声に水が真っ赤にした顔を背ける。
「水…見ない…で…んーーーーっ!」
風の服は破かれ、布切れとなって部屋のあちこちにばら撒かれている。
晒した裸体の上を男の舌と手が蠢き、風は血が出るほどに唇を食いしばるが、薬のせいで敏感になった身体はそれでも我慢出来ずに口から甘い声が漏れ出ていた。
「どうせ昨夜も雷に可愛がられていたんだろう?だったら、入るよな?」
男の言葉に風の顔が青ざめ、必死に頭を振る。
「あっ…やめっ!入れないで…いやっ!光、やだ…光…お願いだか…ひっ!ぃやぁああああああっ!!」
泣き叫ぶ風の腰に光と呼ばれた男が自分の腰を激しく打ちつけていく。
「これが雷を俺から引き離した身体の味か…悪くない。これからは雷の代わりに俺が味わい尽くしてやる!覚悟するんだなって…あぁ、これが例のしっぽか…」
「それは…だ…めぇ…ぅんんっ!」
なんとか光の手から尾を隠そうと、無駄だと分かっていながらも風は必死に身を捩った。
しかし、簡単に光の手が風の尻尾に手を伸ばしぎゅっと握ると風の身体が一気にのけぞりビクンビクンと痙攣した。
「いっ…ああああああああーーー!!」
今までにない大きな声が風の口をついて出ると同時に、白い液体が風の腹を汚していく。
「すっげぇ!そんなにこれがいいのか?ならば、もう一度…」
光が再び風の尾を掴もうとするのを水の声が止めた。
「やめてよぉ!風をいじめるなぁ!!」
「ちっ!気が削がれたわ…」
そう言ってぐったりとしている風の体を掴み直すと一気に腰を激しくし、風の腹に同じように白い液体を飛ばした。
「おい!こいつの後始末をしておけ!」
水に向かって言うと、光は自分の身支度をして部屋を出て行った。
水の側にいた男が水を縛っていた紐を切ると同時に、風の元に駆け寄る。
「風!風っ!!」
呼ばれて風がうっすらと目を開いた。
「大丈夫…大丈夫だよ…でも、少し寝かせ…て…」
そう言ってすうっと瞼を閉じた。
「これを…」
後ろから男が毛布を水に渡した。
「…ありがとう…」
か細い声でそう言って受け取ると、風の身体にかけて、その横に水も潜り込んだ。
水の震える肩をじっと見つめていた男が、静かに扉を開けて出て行った。
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