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第18話

「やだ!来ないで!雷、僕を見ないで!」 毛布に隠れてカタカタと震えてる風を見れば、言われなくても風の身に何が起きたのかわかる。 やった光を許すことはできないが、そんな事でもう一緒にはいられないと言う風にも腹が立つ。 ふとサイドテーブルに置かれたガラス瓶が目に入った。 何とはなしにそれを手に取ると、風の顔がみるみる青ざめていく。 そうか、例の媚薬か… 俺がこの村にいた頃から使われていた媚薬。こんなのを使われたら…風の身に起こった事を想像して、胸が張り裂けそうになる。 だが、それが俺から離れる理由にはならない。 少し、風に俺をわからせないとだな。 ニヤッと笑い、風に近付く。 「来ないでってば!」 ヒュンと飛んできた枕を、頭を少しだけ傾けて避ける。 枕を投げ切ると、今度は近くにあった花瓶を手に持った。 さっと早足で近づき、風の腕を掴む。 「おい、流石にこれはダメだろ?」 腕を掴んだままで花瓶を取り上げ、ベッドの下に置く。 「はな…して…。僕はもう…雷に愛される資格はないんだ!」 腕を振って、俺の掴んでいる手を振り払おうとする。 ようやく掴み直したこの手を、そう簡単に離すわけがないだろう。 グッと腕を握り、少し上に引っ張る。   「痛いっ!雷、離して。」 「聞き分けのない風には…これか?」 ポケットから例の小瓶を取り出す。 片手で蓋を取ると、風の顔の前にかざした。 「やだ!これはもうイヤだ!」 泣き喚く風を胸に抱きしめる。 「だったらこのまま黙って俺に抱きしめられてろ。お前は誰のものだ?」 「雷の…です。」 「だったら、俺がお前の居場所だろ?何があったって、何をされたって、俺はお前を離さない。世界の果てまでだって追いかけて捕まえる。わかったら、もう大人しくしてろ…感情爆発寸前なんだよ、俺だって。後で枯れるほどに声を出させてやるから、覚悟しておけよ。」 おでこに軽いキスをすると、風が首まで真っ赤になった。 「雷ぃ〜。」 泣きながら俺の名を呼ぶ。 「惚れ直したか?」 うんと可愛く頷く風が愛しくてこのままベッドに押し倒したくなるが、その衝動を何とか我慢して、俺の胸で子供のように泣きじゃくる風を片手で持ち上げると、水と陸と共に部屋を出た。

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