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喧嘩–2
家に戻ると、雷が自分達の寝室に入って行くのが見えた。陸とどうしようと顔を見合わせていると、閉めちまうぞと雷の声がする。
その声に二人で走って部屋に入った。
すでにベッドの上に風が両手と両足を縛られ、裸にされて寝かされていた。
こちらに背を向けているけれど、肩の震えから泣いているのが分かった。
あの時の事を思い出し、僕も一歩後ずさる。それを雷が僕の腕を引っ張って、顔を近付けると耳元で囁いた。
「風がまだあの時の事を言わねえんだよ。だからちょっときつめの仕置きしたいから、お前も手伝え。」
「え?」
「陸にも言ってある。いいか、うまく合わせろよ?」
「ら…雷?」
訳も分からず陸の顔を見ると、上を向いて仕方ないよという顔をした。
どうしたらいいのか分からず、雷を見ると、僕の腕を離してベッドに行き、ギシっと音を立てながら風の横に座った。
「雷の意地悪!嫌いだ!こんな馬鹿げた事する雷なんて大嫌いだ!!」
風が雷に背を向けたまま、涙声で喚く。
「お前と俺のこういう事を見せてやれば、あいつらもどうやればいいか分かるだろう?これも年長者の役目ってやつだよ、風。」
「嘘つくな!僕だって別に誰かに教わってなんかいない。それでも、雷に求められたからそれに合わせてやって来た…二人だってできるはずだよ。だからこんな事、もうやめて!」
雷が風の体を起こし、自分の膝の上に座らせた。
雷の体の影でよくは見えないけれど、風の下半身が少し上向きになっていたように見えた。
こんなに嫌がって、泣いてるのに…風は何であれが反応しているんだろう?
雷も風の下半身に優しく触れると、悪戯するように弄り出した。
「やぁっ!やめてよぉ…雷ぃ…意地悪しな…いでぇ…声…出ちゃうぅ…」
あの時とはまるで比較にならない位に、甘くて甘くて艶かしい声。風のそんな声に僕の腰が疼き出した。
あの時は、ただ悲しくて悔しくて、怖くて…こんな事は一切なかった。
横を見ると、陸が腰を折って汗を流している。
「陸、大丈夫?」
僕がその身体に触れようとするのを頭を振って止める。
「お前に、触られたら…我慢できなく…なる…から…」
陸が苦しそうに呻くように答えた。
「僕も…なんか変…なんだ。前もなんだけど…なんかお尻がモゾモゾする…何だろう、これ?」
「俺は、前だけ…すごく痛い…今すぐ…こすりたい…」
陸の発したこすりたいという言葉に、僕のお尻の中がきゅうんとする。
何だろう?こんな事は初めてで、どうしたらいいのか分からない。
もしかしたら変な病気かも…
そう考えて身震いする。
僕らの前ではまだ雷が風の下半身を弄り、風が雷の腕の中でその体を痙攣させ、声も大きくなっていく。
「はぁっ!いやぁああ!っちゃう…イく!やぁああああ!!」
そうやって風が一際身体をのけぞらせ、大きな声を出した。
ぴゅるっと雷の弄っていた風の下半身から白い体液が飛び出し、それをぺろぺろと雷が舐める。
「なあ、オレ達のコトを話すのはさすがにオレも嫌だからさ…あの時にされた事なら…どうだ?」
「え?でも…思い出したく…ない…」
風が雷の腕に顔を埋める。
「だったら、水に教えてもらうか…なあ、水?」
「え?僕?!」
雷が無言で頷く。
「分かった…けれど、僕もあまり覚えていないかも…」
「覚えている範囲でいい。やってみるから言ってみろ!」
雷の声の迫力に、押されるように思い出しながら話し出す。
「あいつが風の着ていた物を引き千切ってベッドの周囲にばら撒いて、薬で動けなくなった風の身体中を手と舌で触り出して、それで腰を風のお尻にくっつけたんだ…なんか腰をぐいぐい動かしてる内に、風の尻尾を掴んで、風が今みたいになって…、それで腰をもっと激しく動かして…」
「もう、やめて!!」
風が雷の胸に真っ赤な顔を埋めて大声を出して僕の話すのを止めた。
雷の顔もまるで夕日のように赤い。
「水、お前は今どこか変なところはあるか?」
ぎりっと奥歯を噛み締めるように雷が僕に聞く。
「なんかお尻がもぞもぞして変な感じなんだ。」
「陸は…って、聞くまでもなく辛そうだな… 」
ククッと少し笑うと、僕を手招く。
「いいか?お前は多分風と同じ、受け入れる側だ。お前はここを陸にこの液体で陸のものが入るまで柔らかく広げてもらえ。見せるのはアレなんだが、こんな感じだ。」
そう言うと雷が風の背中からお尻に液体のついた手を這わせ、ぐにゅっとお尻に指を入れた。
「ひあっ!?」
風が可愛い声を出した。雷の指がそこを出たり入ったりしている内に、風の尻尾がふるふると震え出し、甘くて可愛い声が部屋を明るくて妖しい色に変えていくよう。あの時は、ただ苦しくて切なくて辛いだけの声だったのに…。
僕がキョトンとしていると雷が僕に手招きした。
近付くと、こそっと耳元で囁く
「同じ行為でも、する奴が違うと全然違うだろう?お前も怖くない…あいつを、陸を愛しているなら、初めは辛いかも知れないが、すぐに気持ち良く…いや、とても幸福な時間を過ごせるはずだ。少しの辛さもこう言う時はいいスパイスになる…だろ?」
そう言って風を見下ろす。
「バカ…。でも、うん。水、大丈夫。何も怖くないよ。陸を愛しいと思う気持ちがあれば、きっと…あぁっ!」
風の身体がビクンと跳ねた。
「もう、話は終わりだ。お前らもさっさと部屋に戻れ!俺も陸も限界だ…風、愛してるっ!!」
そう言って雷が風の肩に牙で噛み跡をつけた。
「くぅううううん!」
我慢するように風が唇を噛むと、それを雷の口が覆った。
「陸、行くよ。」
陸の身体を支えるようにして、二人で部屋に戻る。ベッドに陸を寝かせると、ごめんと言うなり、陸が僕の上に覆い被さって来た。昨夜と同じように、陸に組み敷かれる。昨夜はゾクっとして、嫌で嫌でたまらなかった…それなのに、雷に抱かれている風を見た後の今では、むしろ嬉しいと言う感情が溢れ出す。
「いいよ、陸。昨夜みたいに殴らないから…僕も風みたいに陸で気持ち良くなりたい…昨夜は本当にごめんね、陸。」
ぎゅっと陸の首に手を回すと、陸が下手くそなキスをくれた。
それでもそれを愛しいと思うし、この身体に陸を受け入れたいと願っている。
「きて…陸。」
頷いた陸が服を脱ぎ捨てた。
「水は大丈夫かな?」
「俺はお前の方が心配だ…お前の頼みとは言え…二人の前であんなコト…」
雷の言葉にふふっと笑いながら頷いた。
「あんな事を見せたの、ずっと気になっていたんだ。
陸に水が受け入れてくれないって聞かされてやっぱりって。だからこれは僕がやらなきゃいけない事…雷こそ、本当はすごく恥ずかしかったんじゃない?ありがとう、付き合ってくれて。」
「その代わり、しっかり報酬は貰うぞ!まずは…っ!!」
ぐぐっと押し付けられた腰から、体内に圧迫感と幸福感が溢れる。
きっと大丈夫。僕達も手探りでここまでやって来られたんだから。
首に回した腕に力を込め唇を合わせる。幸せが逃げてしまわぬよう、しっかりと二人の唇を塞いでおこう。
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