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雨降って…-2

「ららららららいーーーーーーーー!!!」 突如、家中に響き渡る水の悲鳴のような声に、雷が驚きの余り怒っているのも忘れて部屋から飛び出した。 「水、どうし…お前、誰だ?」 水の肩を掴んで困ったように微笑んでいる見ず知らずの男を見た雷の脳裏に一瞬、風の同じように微笑んだ顔がよぎった。 「お前、兎か?」 雷が水の身体を無理やり引き寄せると自分の背中に隠すようにして、行き場を無くした手を見つめている男に向かって尋ねた。 そう言えば風と出会った時に、風の名を叫んでいた男にも似ているような気がする。 「はい、風の弟で波と言います。」 「波?夏じゃないのか?」 先日、風から村でのことを聞いた時に教えてくれた弟の名前ではない事に、雷が分からないという顔をする。 「あぁ、それは次男の名前です。ウチは3兄弟で、風、夏、そして波の僕。そういう事ですよ。」 そう言ってふふふと笑顔を見せる波に、雷の背中に隠れていた水がそーっと顔を出してその顔を盗み見る。 確かに、どことなく風の面影があるかも… そう思いながら見つめる視線に気が付いた波が、水に向かってニコッと微笑みかける。 驚いた水がぴょこんと飛び跳ねて、再び雷の背中に隠れた。 そんなやりとりを呆れたように見つめていた雷が波に尋ねる。 「それで、一体何の用だ?風なら俺の静止も聞かずにそっちに行ったが?」 先程のことを思い出したのか、雷の口調が荒くなる。 しかし波はそんなことを気にすることなく、笑顔のままで話し続けた。 「あぁ、実はこちらの陸君でしたっけ?その子が風と村に行くと言い張って頑として風を離さないものですから、仕方なく二人で先に僕達の村に行ってもらいました。僕はその事を伝える為と…雷さん、あなたがどんな状態なのかを見てきて欲しいと風に頼まれたので、こちらに伺った次第。まぁ、何事もないようですし、僕も村に帰ります。それでは…」 そう言って軽く会釈をすると、廊下を玄関に向かって歩き出そうとする。 しかしその手を不意に力強く掴まれ、波の身体がバランスを崩した。 「うわっ…っと!」 ぼすっと自分の胸に沈んだ身体を雷がそのまま片腕で抱き寄せると、水に部屋に行ってろと囁いて二人は雷の部屋に消えた。

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