40 / 90

雨降って…-5

「雷…もう…ひぃっ…っやぁあああああああっ!!!」 あれからすでに数時間が過ぎ、朝の太陽はすでにその姿を隠そうとしていた。 「まだだっ!まだ、治まんねぇ…全然すっきりしねぇんだよ!」 風の腰を掴み、そのまま身体を持ち上げる。 それまでもいつもよりも深いところを何度も突かれて数え切れないほどに果てた風だったが、自身の重みでまた一段深いところに雷が行き着く。 「そこぉ!やめっ…てぇええええええっ!だめ!やだぁ!雷ぃ…雷ぃいいいいいっ!」 そんな風に涙を流して許しを乞う風の顔を舌でベロッと舐めると、囁いた。 「もう何処にも行かさねぇ…お前の全ては俺の物だ…それが分かるようにしてやるよ。」 ぞくっと背筋を悪寒が走り、風がやめて、許してと雷に抱きついて許しを乞うが、雷の目はそんな風を見つめて静かに首を横に振った。 「なぁ、お前に足があるから俺から逃げるんだろう?手があるから俺を拒否する。口があるから俺に抗う。頭があるから俺からどうやって逃げるか考える。あぁ、それが全て無くなれば…いや、手足だけでもなければお前はもう逃げられない…俺がそれを食ってやる。」 雷の体がいつの間にか銀狼となり、ベロンと長い舌で風の身体を舐めた。 「ひぁあああああっ!」 恐怖とそれからくる快感に風の身体は限界を迎えヒクヒクと痙攣しながら意識を手放していた。 「丁度いい…だったらこのまま…っ!」 雷の身体が銀狼から金狼となり、風の腹を破りそうなほどに雷の性器がその大きさを変えた。 「ぁああああああああああっ!!!」 風がその痛みと苦しみに遠のいていた意識が覚醒し、絶叫する。 「このままぶち破ってやる!もう、誰にも見せねぇ!どこにも行かせねぇ!」 雷の性器のあまりの大きさに、風はまるで脳までそれで突かれているような感覚だった。それでも、風の口から最後に出るのは雷への肯定の言葉。 「いい…よ。」 「死ぬんだぞ…」 雷の一言に風がそうだねと頷く。 「こうやって雷を楽にしてあげられないなら、僕のいる意味なんて何もないから…」 そう言って苦しそうに喘ぐ風が微笑む。 「…んでだよ?!だったら何で俺を置いていこうとしたんだよ?!」 雷の方が風の体に大粒の涙をこぼしながら、苦しそうな声を絞り出した。 自分の体を濡らしていく暖かい雫に触れ、雷の大きな顔を抱き寄せて、その瞼に風が口付ける。 「あんなに雷が怒るなんて思わなかったんだ。内緒だったとは言え、父さんの時に村には何度も帰ってそして何事もなく戻ってきてたから…雷も気にしないって思い込んでいたんだ…それでもダメだって言われて、それを聞いたら僕への雷の信用ってそんなもんなのかと思って悔しくて…」 風の目からも涙がこぼれる。それをいつの間にか人間の姿に戻った雷の指が拭った。 「悪かった…でも、それでも風には村に帰って欲しくない…俺のいない所で笑い泣き、怒り喋っているって考えるだけで、俺の心は怒りで暴走しそうになる。俺の知らない風を知っている奴らを全員ぶち殺したくなる。だからお前を信用していないんじゃなくて…全部、俺のわがままなんだ…」 雷が顔を横に向けたままで風の胸に顔を埋めた。 そのふさふさの金髪を優しく撫でながら風が微笑む。 「雷の嫉妬深さを忘れていたよ…だってもう僕達って何十年も一緒にこうやっていて、他の人の事を見向きもできないくらいの絆を持ってて、だから僕が何をしてもどこに行っても帰って来る所はここだって、雷のいる所が僕の帰る所だって、そうやって自信満々で僕を送り出してくれるって思っちゃったんだ…」 「悪かったな…自信もないし未だにすっげぇ嫉妬深くて…悪かったな…」 そう自分の胸に顔を埋めたままで喋る雷に風がふふっと笑う。 「くすぐったいよ、雷。僕の方こそごめんね…でも未だにこんなに嫉妬されるなんて、ちょっと嬉しいかも…でも!雷、波といい雰囲気になっていたよねぇ?!僕があの時、入っていかなかったら…それに僕とだけしか愛し合っていないから、久しぶりに他の体を抱くのもいいなとかって言…っ!?ちょっ…そこ舐めな…いで…んんん。…っなし、終わってな…いいぃぃぃ。」 埋めた顔が風の乳首を弄り、舌がその先にちょろちょろと刺激を加える。いつの間にかベッドに押し倒されて、風の腰と雷の腰が当たってリズムの良い音が響く。 「あんなの、お前が外にいるって分かっていたから言ったに決まってるだろう!お前の匂いも息遣いも心臓の鼓動も俺にはすぐに分かる。だからああやってお前の感情の昂りを感じていたんだ…いつもは冷静なほどに冷静で、俺の方がいいようにされってからな…初めて風が嫉妬で感情を昂らせてるのを感じて、身震いするほどだったわ。」 そう言ってニヤリと笑う雷が風の乳首を指で弾く。 「いっ!…じわるぅ…」 「さっきの事がか?…それとも…」 そう言って再び風の乳首を指で弾きながら、もう片方は口の中で飴でも舐めるかのように転がす。 「ど…っちもぉっとぉ…雷ぃ…っもちいいよぉ…はぁああああっ!」 腰も激しく動かされ、それでも先ほどまでのような拷問に近いそれとは違い、風の快楽を引き出すように雷の腰が動く。 「ここ…だろう?それと…こっちもこう細かくすると…」 「そこぉ!!あぁああああっ!ダメ…やぁっ!もっとずっと雷を感じていたいのに…っちよすぎ…ぁあああああっ!」 びくびくと痙攣しながら、何度も果てた後の割には濃い目の体液が雷の体にかかった。 「俺の暴走を止められる唯一のやつがお前で本当に良かった…風、もう俺の前から一瞬でも消えないでくれ…俺を置いていかないでくれよ…頼むから…風っ!!」 すでに意識も朦朧としている風の手が雷の頭を抱き寄せた。 「僕も…雷で良かった…最後は…全部食べて…ね…やくそ…く…」 「分かってる…お前を全て俺のものにしてやる…風っ!!」 満足そうに微笑んで頷く風の中が自身ので温かくなっていくのを感じながら、雷はその牙で風の首筋に噛み付いた。 長い夜が明け、再び太陽がその姿をあらわした頃、部屋はようやく静かな寝息に包まれた。

ともだちにシェアしよう!