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風と月-3

傘を持った僕を雷が抱き上げたままで、さっき水と探し歩いた場所よりももっと森の奥深くに入っていく。 「風はこっちには来たことあるか?」 雷はまるで庭のように慣れた足取りで歩いて行く。 どこかに向かっているのだろうか? そんなことを考えていたらそう雷に尋ねられた。 僕はないよと答えると、そうかと言って歩みを進めて行く。 「どこに向かっているの?」 今度は僕が雷に尋ねると、秘密と言って僕の唇に指を置いた。 何だか雷っぽくない行動に、僕が不思議な顔をしたようで、雷がどうした?と聞いて来た。 「なんだか、雷がかっこいいことするからさ。」 そう言って雷の額を指で弾くと、そうか?と言って、僕の額にキスをした。 「お返し。」 そう言って微笑む雷に鼓動が高鳴り、僕はもう少しでまたも盛大な愛の告白をしてしまうところだった。 そんな衝動をどうにか抑え込み、雷を仰ぎ見る。 今の世に唯一の金狼として生まれて来た雷。その運命の相手として生まれて来た黒兎の僕。 それでも大抵の金狼と黒兎は出会うこともなく、金狼に至っては自分にそう言う相手がいることも知らずにその一生を終わる。僕は雷の手によって探し出され、雷の金狼化によって起こる感情の暴走を唯一発散させられる者として雷と家族になった。僕達は会った瞬間からお互いだけを愛し愛されたいと思うほどに強く惹かれ合った。それが運命だというのなら、僕はそれに感謝する。僕を雷の相手に選んでくれたことに。そして出会わせてくれたことに… 「雷、僕を見つけてくれてありがとう。」 僕のいきなりの告白にもいつもの雷と違って優しく微笑むと、 「俺がお前を選び、そしてお前も俺を選んだ。俺達は互いに互いを欲したんだ。それが運命だというなら、俺はそれに感謝する。俺にお前を選んで与えてくれたんだからな。」 その言葉を聞き、感情が溢れ出す。 本当に雷が好きだ。愛してる。 じっと見つめる僕に、雷の顔がゆっくりと合わさる。 もう我慢できない… そう囁いた僕に俺もだと言うと、雷が急に風のように走り出した。

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