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風と月-5

じゅぷじゅぷといやらしい音をさせて、僕が雷のを吸い上げる。その雷は恍惚の表情を浮かべて、それでも余裕の顔をして自分を咥える僕を見て満足そうな顔をしていた。 「風、すごくいいよ…なぁ風、俺の顔跨いで?」 ずずずと上半身を起こしていた雷の体がベッドに仰向けで横になり、僕はそれに合わせるように咥えたままで体を反転させた。 それでも足を広げて雷の顔の上に跨る事に一瞬躊躇する。 「初めてじゃないよな?」 雷が僕を煽るように言ってくる。 そりゃあこうしてくれって言われたり、無理やりこういう格好をさせられたことは何回かあるから初めてではないけれど、それでもやっぱり… 「恥ずかしいよ…」 そう言うと、雷がぐいと僕の片足を掴んで無理やり自分の頭を跨らせようとする。 「やだぁ!」 そう言って、手で局部を隠そうとするが、雷の舌が僕の手の上からベロンと前から後ろを一気に舐めた。 「ひぃっやぁあーーーーーっ!」 手の端から舌が潜り込み、僕の前も後ろもびちゃびちゃになる程舐められ、ガクガクと痙攣する体を支える為に手を離す。 途端に後ろにぬるっとした感触を感じ、それを止める間も無く雷の手が僕のを擦り上げていく。 「やぁああああっ!だめぇ!それ…両方した…ら、へん…なっちゃうよぉ!」 「もっともっと変になった風が見たいんだ。俺の風!俺のモンだ!」 そう言って雷が僕の背中に顔をさっきよりも近付けて、舌を奥深くに入れてくる。 そうは言っても舌だしと、思っていた僕の身体が一気にのけぞった。 届かないはずの奥の僕のいいところを、雷の舌がちょろちょろと舐めながらとんとんと刺激を与えてくる。 こんなことできるはずないのに…何で? しかし、そんな風に考えられたのも一瞬。雷の舌は僕の中で縦横無尽に蠢き、それに翻弄された僕の口は開きっぱなしでだらしなく涎を垂らしながら、荒い息と甘い悲鳴を上げ続けた。 「風、すごい可愛いよ。俺の風。もう絶対に離さない。俺のだ…俺のモンだ。」 そう言って、僕を何度も何度もその手と舌で果てさせると、ついに雷のが僕の引くついて恥ずかしくも開いた穴に当てられる。 「なぁ、風。俺のモノを突き刺したままで永遠にここで一緒にいないか?」 「雷となら僕、ずっと一緒にいたい。」 ぎちっと雷のがゆっくりと入ってくるが、何かがいつもと違う。 「雷、なんか変なんだけど、何かな?」 後ろを振り返った僕の目に映ったのはいつもの雷のとは明らかに違う、突起のついたモノ。 アレを入れられたら、引き裂けるだろう痛みで抜くのには相当な激痛が伴うとわかる。 「さっきまでそんなの…なかった…よね…?」 恐怖でぶるぶると身体が震え、雷だと思って抱かれていた誰かを見る。 「雷じゃ…ないの?ねぇ、雷じゃないの?!」 ー。 しんと静まり返った部屋。その沈黙が僕の答えを肯定する。 「風…」 雷じゃない雷が僕に手を伸ばす。 「やだぁ!雷ぃ!雷はどこぉ?僕の雷はどこにいるの?」 そう叫んで、伸ばしてきた手を叩き落とす。 「あんなに俺で感じて、俺を愛してくれたのに…何でそう言う悲しいことをするの?何度も言ったよ、風は俺のだって。風も頷いたじゃないか!?」 突然の大声に僕の耳も尻尾も萎縮して萎んだ。 「それはだって、雷だって思っていたから!」 「俺は雷だ!風がそう思えば雷でいられる。だから俺とこのままここで暮らそう?なぁ、いいだろう?」 そう言って、雷じゃない雷が再び僕の中に突起のついたモノを入れようとしてくる。 「やだぁ!僕は雷ともいたいけれど、陸と水とも一緒にいたいんだ!だから僕を皆のところに帰してよぉ!」 「だったら、俺が陸と水も連れてくる。それで俺と4人で暮らそう?」 とてもいい考えだとでも言うようににっこりと笑うが、僕の雷じゃなきゃ意味がないんだ。 「そんなの嫌だ!僕は雷がいいんだ!雷じゃなきゃダメなんだ!偽者はどっかに行けぇ!」 言ってからはっと雷じゃない雷を見た。 悲しみと怒りの入り混じった目で、じっと僕を見つめる。 しかし、すぐにそれが微笑みに変わると、僕に近付いた。 逃げなきゃ! そうは思うのだが、恐怖で身体が動かない。 「俺と、お前の雷と何が違う?」 剥き出しの牙で僕を威嚇するように聞いてくる。 何が? 雷を思い出す。優しく明るく、そして少し嫉妬深くて…何より僕に安心感をくれる。 「雷からはいつも暖かさを感じる。それは太陽の優しい光のようで、いつでも僕達を守ってくれる。だから僕達はいつだって安心して雷の側で暮らしていられる。僕から雷を取らないでよ!」 「お前は永遠に雷と暮らしたいと願った。俺ならその願いを聞いてやれる。永遠をお前に与えられるんだ。」 「いらない!雷のいない永遠なんていらない。それに僕と雷は永遠に一緒になれるんだ。僕と雷とどちらかが先に逝く時、雷が僕を食べてくれるって約束しているんだ。だから僕達は永遠に一つになれる。分かったら、僕を雷の所に帰して!」 「分かった!だったら、今ここで俺がお前を食べてやる!雷の所になんか帰してやらない!俺がお前と永遠に一緒になるんだ!」 そう言って、僕の喉元に突きつけられた牙がその皮膚を食い破る感触に、僕はショックのあまり意識を失った。

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