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風鈴-1
チリン、チリン
暗い部屋に鈴の音が響く。
「やだぁ!雷!水達に…聞こえ…はぁああああっ!」
鈴が早く激しく鳴り出し、それとハモるように風の甘い喘ぎ声と雷の唸り声。
「あぁあああっ!はぁあああっ!っくぅ!やぁあああっ!そこっ!だめっ!あぁああああっ!」
「ダメって言う割に…俺のを咥え込んで離さ…ねぇのは、風の方だろう?んっ!」
雷の腰がビクンと揺れる。風が腕から崩れ落ちて上半身をベッドに突っ伏した。雷の掴んだ細い腰はそのままで、いやらしく揺れ動く。
風の身体が雷を受け入れてもう大分経つが、毎回まるで初めてのような恥じらいで雷の前で足を開く風。
そんな風に雷は満足していたが、夢の風に焚き付けられた炎が夏の暑さに開放的になった心の内で燃え上がった。
「なぁ、こんなのあったんだけどさ…今夜付けていいか?」
手に持って風に見せたのは、動物の首につける首輪。真ん中についた鈴が揺れるとチリンと可愛い音を出した。
大人の首に付けるにも十分な長さのそれを見て、風が顔を真っ赤にして後ずさる。
「え?!それ…付けるの?」
「そう。お前の首にスッゲェ似合うと思うんだよな、これ。なぁ、付けてくれるだろう?」
ドンと風の体を壁際に追い詰めて、顔のすぐ横に手を打ち付ける。ビクンと揺れる体に近付く顔、背けるように横を向いた風の顔の前で首輪を揺らす。
「これを付けた風が揺れるたびにこの鈴が鳴るんだ…聴きたいな、風が鳴らす鈴の音…なぁ、いいだろう?」
雷の唇が風の首に押し当てられ、カリッと甘噛みする。
「んんんっ!ら…いぃ…っめて…」
そんな事でもう風の身体は熱く火照り、身体の中心が硬くなりかけているのがわかる。
痛みと気持ち良さに震える足。
風の身体を抱き寄せる雷の言葉にもう風の頭はまともな思考回路は保てず、結局は頷いてしまう。
「な?風?」
「わか…ったか…ら…んんっ!」
「そうか!?じゃあ、あいつらが帰ってくる前に、辛いの治してやろうな…」
そう言って風の前でしゃがみ込んだ雷が、風の下半身を露出させると軽く扱いて口に含んだ。
「あぁあああああああっ!雷!雷ぃ!っちゃうから、いっちゃ…あぁああああああっ!」
「出していいぞ。俺が一滴残らず飲んでやっから…ほら!」
ジュプジュプと雷の立てる卑猥な音に風の隠れた耳が真っ赤に染まり、腰がビクビクと痙攣し出す。ガクッと膝が崩れ、腕が雷の頭を抱え込む。
「出せよ!」
「ひやぁあああああああああっ!」
雷の口が一気に吸い込み、喉の奥まで咥え込んで風を果てに導く。
「ぃいっ!あぁあああーーーーーーっ!!」
風が身体ごと雷にしがみつき腰を震わす。雷の喉がゴクンゴクンと上下すると、風は床に座り込んで壁に頭をもたれさせて荒い呼吸を整えた。
「ほら、手。」
しばらくして雷が風の手を握り立たせると、後始末をしてソファに二人で座る。
「風、今夜は早めに夕飯にしような?俺、お前の首にこいつを付けるのすっげー楽しみ。もう今から部屋に戻りたいくらいだ。」
「雷…」
今更嫌だと言えず、風は仕方ないと言うようにため息をついた。
「水と陸には勘づかれないようにしてよ?そんな恥ずかしい姿、二人には見せたくないから…」
「分かってるよ。大体、お前のそんな姿、他の奴らになんか見せてたまるかよ!俺だけが見て、俺だけが愛でて、そして…」
「そして…?」
「可愛がってやるよ…思う存分な。」
にやっと意地悪い顔の雷に一抹の不安を覚えながらも、心の奥底で鼓動を早めて夜に期待する風の身体はまたも熱くなり出していた。
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