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風鈴-2
「え?!もう夕飯?」
陸の場の空気を読まない素っ頓狂な声に、風が顔を真っ赤にして俯きうなずく。
「うん。今夜は支度が早めに出来たから…陸、お腹すいてない?」
「ううん!むちゃくちゃすいてるから嬉しい!!いっただきまぁあす!!」
ほっとしている風を見ながら、何食わぬ顔で食べている雷の顔を水がじっと見つめる。
それに気が付いた雷が、顔を手で触りながら、何かついてるか?と尋ねた。
「ううん、付いてないよ…たださ、助け舟くらい出してあげてもいいのにって思ってさ…どうせ雷絡みでしょ?」
ゴホゴホと風が咳き込み、水がハイと目の前の水を渡す。
雷がため息をついて風の背中を叩きながら水に話す。
「分かってるなら、お前が舟を出してやれよ。大体、俺が噛み付いたら逆に陸の好奇心を刺激しちまうだろうが!?」
自分の名前がいきなり出た事で、食べる事に夢中になっていた陸が顔を上げると皆が一瞬黙って一斉に大きなため息をついた。
顔中にソースやら汁やらを付けている陸に雷はゲンコツをお見舞いし、風が渡した濡らしたタオルを受け取った水がその顔を強めに拭く。
「痛っ!!痛いよ、水!」
「痛くても我慢して!もう子供じゃないんだから、もう少しきれいに食べなよね…まったく。」
大きなため息をつく水に陸が笑顔で答えた。
「だって今日のご飯、食べれば食べるほど身体が熱くなってパワーが湧き起こってくる感じでさ…なんかすごい元気!って感じになるからついついバクバクと食べちゃったんだ!」
再び風が咳き込み、目の前の水に手を伸ばす。それをひょいと雷の手が取り上げた。
「ゴホゴホ!ら…ゴホ、い。かえして。ゴホゴホ。」
「水に言われたからな…介抱してやるよ…ほら。」
「え?!」
咳き込みながらも水に手を伸ばそうとした風の身体を雷の手が抱き抱えて、自分の口に水を含むとおもむろに風と唇を合わせて水を流し込んでいく。風の口からあふれ出た水が筋となって風の顎から首に垂れていく。それがゴクンと上下に動く風の喉をいやらしく見せた。
「んんっ!はぁ、はぁ…っ!」
ようやく雷の唇が離れると、それを目を離せずに見ていた水と陸の喉が鳴った。
はっと気が付いたように水が雷と風に捲し立てる。
「もう!二人ともさっさと部屋に行って!」
「え?!でも…片付けとかあるし…」
赤くなった顔で俯いたまま目を泳がせている風に水が、そんなの僕達がやっておくからと言いながら座っている椅子を引いて、はいはいと二人を立たせると背中を押して扉の外に押しやった。
「はぁ、まったくラブラブなのはいいけれど、刺激強すぎる…って、陸!ダメだよ!」
いつの間にかそばに来ていた陸が水を壁に押し付け、貪るように唇を合わせる。
突っぱねようとした腕は陸に掴まれて頭の上で拘束され、足の間には膝が入れられて、ぐいぐいと股間を刺激してくる。
「んんぁあああっ!陸…かたづ…けしな…くぅっ!ぁああっ!片付け…陸ぅ…だめぇ…」
陸の手が水の服の下から細く痩せた胸に手を這わせ、乳首を弾き、先端を爪で引っ掻く。
「ひぁあああっ!あっ!だめっ!陸ぅーーーー!」
陸の足に自分の膝を擦り合わせ、股間への刺激を求める。しめった布越しに我慢できなくなりつつあることが分かった陸の手が水の下半身を隠す全てを取り去ると片足を肩に乗せて、身体中をまるで甘くて美味しいデザートのように舌で舐め、甘噛みを繰り返す。指を水の口に入れてかき回すようにすると、水の舌が指に絡まって唾液と共にくちゅくちゅと音を出した。
「もういいよ。」
陸の声に水が指を離すと、それが今度は水の下半身から水の体内を侵蝕していく。
「んんっ!陸ぅ…あぁっ!はぁんっ!やくぅ!僕、もっ…欲しい…あぁああっ!」
「俺も、もう水の中に入りたい。まだちょっとキツいけど…いい?」
うんうんと頷く水の唇に自分の唇を合わせると陸は指を抜いて、水の腰にぐんと自分の腰を打ちつけた。
水の我慢しきれないあふれ出た声が陸の中に吸い込まれ、二人の腰が激しくぶつかり合う音が静かな部屋を淫靡な空間に変えていった。
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