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結婚式−5

それからも波は顔を見せず、俺達も時々どうしているかなと陸や水が口に出す位で、いつの間にか波が頻繁に来る前の生活に戻っていた。 しかし一月ほどが過ぎ、ついに式当日という日。 その日は朝から気持ちのいい雲ひとつない晴れで、まるで天が波と静を祝福しているかのようだった。 しかし、それとは逆に家の中はまるで大荒れの大嵐。 イライラの権化と化した陸はまるで見せつけるかのように扉を激しく開閉し、足音をバタバタさせて怒りを発散させている。その上、いつもは陸を叱る側の水までもがイライラを隠さず、風もなんとなく陰気臭い顔で、俺もそんな皆の空気に飲み込まれるように、イライラというかモヤモヤというか、パンパンに膨れ上がった風船のようにいつ破裂してもおかしくないような張り詰めた気持ちでいた。 「はぁあああああ!!」 突然ひときわでかいため息を吐き出した陸が、俺をじっと見てきた。 いつもなら気にもせずに無視を決め込むが、今日はつい口が開いた。 「何だ?」 「べつにぃ?たださ、今頃は楽しい結婚式だろうなぁって思ってただけ。美味しいご馳走とかさ…はあああああああ!」 「腹が減ったなら何か食えばいいだろう?大声出すんじゃねぇよ。」 「別にぃ?腹が減ってるわけじゃねぇし。ただ、ご馳走っていうのがどんなのか見たかったって言うかさ…」 波の前では聞き分け良く仕方ないと諦めた陸の言葉に大人になったと喜んだ俺は一体何だったんだとキれそうになる。 ここにこのままいても陸の的になり、いつか怒りで暴走してしまいそうだ。 「風、来い!」 リビングで怒りの的になるのも限界を迎え、怒りで我慢できずに暴走しそうになる気持ちを風で落ち着かせようと、俺の隣に座っている風の手を行くぞと言いながら掴んで立ち上がるが、ずるっと風の手が力なくすり抜けた。 「あ、何?」 風の訳がわからないと言う顔に、もういいよと風を残して扉を開ける。廊下に出た俺の耳に風が何かあったの?と二人に尋ねる声。それに陸が知らねぇとぶっきらぼうに答えるのが聞こえてきた。 何が知らねぇだ… ちっと舌打ちをして扉を閉めたが、力加減がうまくいかずに思いの外大きな音が出てしまった。だがそれによって少し気が晴れたのも確かで、すぐに歩き出して部屋の扉を今度はわざと大きめの音を出して閉めた。 「陸の事、言えねぇな。」 気は晴れたが、物に当たって自分の気持ちを落ち着かせると言う行為に、少し恥ずかしくなる。はぁとため息をついてベッドに倒れ込むと、窓から差し込む暖かい日差しにギスギスした心が少し溶かされていった。しかしそれでも怒りはまったく治らず、俺はなんとか暴走しないようにと、目を瞑って深呼吸を繰り返していた。 そこにためらいがちに扉が叩かれる音。 「雷?入るよ?」 カチャッとノブが回って扉がゆっくりと開く。 「来るな!」 扉に背中を向けて大声を上げる俺に、風が気にせず部屋に入り、扉を閉めた。 「ここは僕の部屋でもあるんだから、入る権利あるでしょ?」 ベッドに近付いて来る足音。黒兎の甘い匂いが強く香って来る。 「くそっ!」 ベッドから起き上がり、息を止めて部屋を出ようとする俺の腕を風が掴んだ。瞬間、無意識に体が動き、掴まれた腕が逆に風の腕を掴み上げて、壁に体ごと押し付けると、そのまま唇を合わせた。 「ん!ふぅ…ん!ら…いぃ…」 絡み合う舌と口の端を伝い床に落ちる涎。風の吐息が熱くなり、匂いにむせそうだ。 「マジで…壊しち…まうかも。」 すでに凶暴性に理性が追いやられそうなのをギリギリで我慢しているが、それもいつまでもつのか… 「ごめんね、雷ばかりに嫌な思いさせて…あの時も本当は僕が波に断らなきゃいけなかったのに、雷に辛い役割をさせちゃったし。今日も雷は何も悪い事をしていないのに、皆の嫌な思いを受け止めてくれた…本当にごめんね。だからいいよ。僕を壊そうが食べようが、雷がしたいなら僕の事を好きにしていいよ。雷がする事なら僕、なんでも受け入れられるから…雷、愛してる。」 目を閉じて、まるで俺に殺されても構わないとでも言うように身を投げ出す風に、俺も少しガキっぽかったしなと怒りが冷め、心の中で反省はする。 が、こんな風になんでもしていいと言う風に、何もしないんじゃ勿体無いよな… それに心を決めてこの部屋に入ってきた風にも悪いしな。 顔は怒ったまま、心の中ではほくそ笑んで目を瞑ったままでいる風を見つめる。 何をしてもいいと言う割に、恐怖からか顔は青ざめ、体も若干震えている。 ベロっと舌で風の首筋から顎にかけて舐めると、ヒィッと声を上げて床にしゃがみ込んだ。 「食えって言っておきながら、舐めただけでそれかよ!味見にもなんねぇじゃん。」 「あ…ごめっ!びっくりしちゃ…って舐めないで!服の上から舐めたら…ひゃっ!やめ…乳首…恥ずか…しい…ぁあっ!」 顎から首を再び舌で舐め、服の上から乳首を吸って舌先で転がす。 薄手のシャツが俺の唾液でじんわりと濡れて、風の乳首が布越しに見える。 「やだ…雷、やめて…ぁああっ!」 我慢できずに床に倒れそうになる風の体を抱き止め、乳首を吸ったままで立ち上がりベッドに上がって座る。 「この服、気に入ってるか?」 「特に気に入っているとかはないけど…何で?」 「終わったら着られなくなるから、捨てるんだ…よっ!」 ビリっとシャツの前を力任せに左右に引っ張る。ブチブチとボタンが何個か飛び散って床に転がっていく音がした。 「やぁ…ーーーーーーーっ!!」 風が大声を出す直前で、俺の口が風の口を塞ぎ、悲鳴は声にはならなかった。 「楽しませてくれるんだろう?俺の怒り、今日はこのままとことん付き合ってもらうからな!」 「あっ!ぃやーーーーーーっ!」 ガリっと首筋に歯を立てて皮膚に歯形が付き、少し血が滲んだ。それを舌で舐めとると、ピリッと痛むのか、風が声を上げた。 「こんなんで騒ぐなよ…もっと楽しい事、させてくれるんだろう?」 俺の言葉に風の顔から血の気が引いていく。 覆いかぶさる俺から逃げようとする手を捕まえて胸に噛み跡をつけていく。 「あぁあああっ!」 ビクンと腰から背中がベッドから離れる。舌で舐めると、痛みに苦痛の表情を浮かべて唇を噛んだ。 「声、聞かせろって!」 指を口に突っ込み、無理やり開けさせると嫌だと首を振って抵抗された。 「何でも言うこと聞くんだろう?だったら、声を聞かせろよ。」 「やだ…外に…聞こえ…ちゃ…っぁあああああ!」 「今更だろうが。聞きたくなきゃ、自分らで何とかするだろうよ…ほら、声出せって!」 「やめ…っ!いや…ぁあああああ!」 下半身に伸ばした手に力を入れると、快楽に反応しているのか、風の目に涙が溢れていく。布越しにでも分かる反応につい激しく手が動く。 「だめ!汚れ…ちゃう!雷!脱がし…て…ら…っぃいーーーーーー!!」 風の腰が震えて、つま先がピンと引き攣る。布越しに触っていた俺の手にべったりとした体液が付いた。 「すげー…ここだけ濡れてて、むちゃくちゃエロい。」 「恥ずかしいから…もう、やだ!」 風が荒い息をしながら俺を睨み、身を捩って逃げようとするが、俺は逃しはしないと拘束している手に力を入れた。 「やめ…っ!痛い、雷!」 「逃げようとするからだろう?自分から飛び込んできたんだ。少しは我慢しろよ。」 「だって…雷が…嫌な事ばかり、す…るから…」 嗚咽混じりの風の言葉に、仕方ねぇなと拘束していた手を離して胸に抱き寄せる。 「お前が何をされてもいいって言ったんだろうが?そう、食われてもいいって。」 俺の言葉にだってと風がくぐもった声で答える。 「雷があんな風に服の上からなんて思いもしなかったから…びっくりしたのと…感じてあんな風に出しちゃったのが恥ずかし…くて…」 「気持ち良さそうに濡らしてたもんな!」 俺の手が乾き始めた布を擦ると、やめてと言いながらも風の腰が動く。 「このままで挿れさせろよ。」 「え?!」 風のはいているズボンの股間の部分を引きちぎると、むわっとしたきつい匂いに頭がくらくらする。 「すっげー、甘い匂いがする。なぁ、いいだろう?」 俺が指を当てると、まるで食べるように飲み込まれていく。 「んっ!んぁああっ!」 垂れた体液が潤滑剤となって、俺の指が出入りするたびにグチュグチュと音を出した。 「上の口でいくら声を我慢しても、こっちでこんなエロい音させてたらなぁ?」 「言わ…ないでぇ!もう!もっ…雷の…欲し…ちょーだい…らいぃ!」 切なく呼ぶ声に腰が疼く。 「…ったく!奥まで突いてやっから、いい声聞かせろよな!」 「らいぃいいいい!!!」 ぎゅっとしがみつく風の奥に届くように腰を激しく打ち突けながら、結局は風にいいようにされているんだよなと思う。 そんな思いもため息もグチも怒りも全てまとめて風の胎内に熱い塊として吐き出すと、風が俺を煽るようにきゅっと刺激した。 「次、イくぞ!」 「ま…って…ぁあーーーーーー!!」 もう、外に聞こえるなんて心配も忘れるほどに大声を出す風のもっと大きい声を出させるために、俺も怒りを忘れて一層激しく腰を動かし続けた。

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