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結婚式-12
時が止まったような沈黙。
二人の呼吸音が聞こえるが、それすらも恥ずかしくて懸命に聞こえないようにと意識しても、我慢出来ない早くなっていく鼓動と共に段々と荒くなっていく。
その空間を壊さぬようにゆっくりと風の顔に手を当てると、風が泣きそうな顔で微笑んだ。
「俺さ…」
囁くような声でも十分に聞こえるほどの静けさの中で、話し始めた俺を風が見つめる。
「俺、お前と初めての時に、結構無理矢理って言うか、勢いでお前のこと抱いちまっただろう?あの事、実は結構後悔しててさ。きちんとお前と向き合いたいって思ってたんだ。だから…風、これが俺達の初夜だ。いいだろう?」
「恥ずかしいよ…そうやって改めて言われると、すごく恥ずかしい…」
真っ赤な顔で、それでも目を潤ませて俺を見つめる。
「風、これまで本当にありがとう…そしてこの先も、俺にお前を愛させてくれ。」
「そんなの、僕の方こそありがとう、雷。僕を見つけに来てくれて。僕を探し出してくれて。本当にありがとう。そして、これからもよろしくお願いします。」
2人の目が合ってどちらからともなく笑い合い、そのまま顔が近付いていく。
「風…俺だけの…愛してる…」
合わさった唇から漏れる吐息と共に、甘い声が俺の名を呼ぶ。
「雷…んっ!」
それだけで一箇所に集まっている熱が、焼けるように熱くなっておかしくなりそうだ。唇を離すと、風が少し寂しそうな顔をする。
「どうしたの?」
「悪い…ずっと我慢してたから…先に抜いてもらってもいいか?」
俺の下半身を見て、風がごくりと喉を鳴らす。
「ヤダ…」
俺の首に抱きついてきた風にどうした?と聞くと、顔を赤くしながら呟いた。
「僕だってずっと我慢してたんだよ?もう…準備はできてるから、雷…」
最後の言葉を聞く前に俺は風をうつ伏せにするとその腰を掴んでいた。
「ゆっくり、優しくしたかったのに…煽りすぎだ…くそっ!」
しっぽに口付けると風の体がぞくぞくと震えるのが分かった。
瞬間、俺ので風の中をこじ開けて行く。
「あっ…ぁああーーーーーーっ!!」
風の声が部屋の空気を塗り替えていく。
戻れないこれまで辿って来た二人の道を思い出すように俺が風の中で蠢く。
そうして奥に進むごとに色々な事が思い出されていた。
二人の出会った日、俺は家族にさよならも言わせず兎達から風を奪い去った。
そうしてまでして連れ帰ったのに、俺の村では探してこいと言った親父までもが兎であるというだけで風を否定し、風の命の危機を感じた俺は風を連れて村から去った。
そうやってあちこちを放浪しながらも、持ち出すものだけは持ち出して来たので、金に困ることはなかったが、まさか陸と水を育てるようになるとは…
出会った時の思い出が過ぎて激しさが少し落ち着き、その変化に風がどうしたの?と振り向いた。
「いや、色々と思い出しててさ…それでお前の中もあちこち探索中ってやつだよ。」
「え?」
「今までのあれこれを思い出しながら、お前のいいところを開拓中ってこと…今は陸と水を拾った時のことを思い出してた。」
「なんか、ん…いつもと違うから…あぁっ!!」
「へぇ?ここをゆっくり擦るとそんな声出すのか?」
さっきなぞったところをもう一度ゆっくり戻ってこする。
「ひっ!んっ!んんっ!」
風の手がシーツを掴み足が震える。
「早いと…」
激しく腰を動かすと風が首を振る。
「っくり…の…方が…ぁあっ!!」
言われてゆっくりと先の方でなぞると、風の膝がペタンと崩れ落ち、びくびくと痙攣する。
「い…っちゃ…っ!やめっ…イっちゃう!!」
「あぁ、俺も我慢できねぇ…イくから一緒に…っ!!」
風の下からシーツが濡れて広がっていく。俺も風の奥にまずは最初の合図のように熱を放った。
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