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第4話

『やばい。。!!』 良は勢いよく視線を逸らすが、時すでに遅し。 七条は立ち上がり、良の元へとズンズン近づいてくる。 『もしかして、変なやつだと思われた――??』 すぐ傍まで来ると、良は観念して七条を見上げた。 「ど、どうした…?」 至近距離の七条に、良は恐る恐る硬い笑みで尋ねる。 「無理はするなよ」 真剣な瞳と整った顔で良をじっと見つめ、 七条は予想外の言葉を発した。 男同士にも関わらず、 良は不覚にもドキッと心臓が跳ね上がるのを感じた。 『これも、罰ゲームのための演技?なのか??』 「あっ、…あぁ。ありがとう」 そう答えると七条は少し微笑んだ気がしたが、 良は、妙に気恥ずかしくなり七条の顔がよく見られなかった。 「悪いが、部の夜練があるので、今日はこれで失礼する」 自席に戻った七条は、皆に聞こえる声でそう述べると帰り支度を始めた。 「えっ。副会長、これから剣道部ですか!?」 「あぁ。大会予選も近いからな」 「さすが七条様だ」 あちこちで七条を感心する声があがる。 七条が生徒会室を去った後、  良は、途端に気が抜けて机にうつぶした。

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