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第6話

「柳瀬!」 生徒会室を後にした良は 昇降口へ向かう渡り廊下で先程別れた七条と遭遇した。 目が合うと、七条は爽やかな笑顔で良に近づいてくる。 「七条」 制服とは一変して、七条は剣道着と袴姿になっていた。 稽古の途中で抜けてきたのか、 鎖骨が少し汗ばみ妙に艶かしく映った。 「これから帰りか?」 「あぁ。今日は上がらせてもらうことにした。 七条は?」 「そうか、ゆっくり休めよ。 俺は職員室に倉庫の鍵を取りに行くところだ」 「部活頑張って、」 「ありがとう。 柳瀬も気をつけてな」 七条は大きくて厚い皮膚をもった手の平で、 良の頭を撫でた。 カアァと顔を赤らむのを良は感じた。 『お、おかしい、、俺。 どうして、こんなにも七条に意識しちゃうんだよ〜〜』 それもこれも、例の罰ゲームのせいだ!! ; ; 簡単に術中にはまるなんて、俺まぬけすぎ。。 「ありがとう。 また、明日!!」 良は逃げるように七条から離れると、 足早に昇降口へ駆け出した。 角を曲がるまで、 七条の目線をずっと感じたような気がした。

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