14 / 17

第14話

⸻ ――翌日から。 良は、七条との距離を置く作戦を決行した。 * * * 「おはよう、柳瀬」 大きな剣道具の入った学生鞄を肩にかけ、 教室に入ってきた七条と目が合った。 「おはよう!」 良は硬く笑顔を返す。 そして―― すぐさま七条の横をすり抜けるように、その場を離れた。 * * * 生徒会室 いつも七条と並んで作業するところを、 「俺は、こっちでやるから!」 「……そうか」 良は少し離れた席へ移動する。 七条はしばらく良を見ていたが、何も言わなかった。 その視線を感じるたび、良の背筋が落ち着かなくなる。 『集中、集中……!』 良は必死に書類へ視線を落とした。 * * * 昼休み 「柳瀬、昼は――」 「すまない! 今日は予定があるんだ!」 七条が言い終えるより先に、良は立ち上がった。 「じゃあ!」 良は急ぎ足で教室を出た。 廊下を曲がり、七条の姿が見えなくなったところで、ようやく足を止める。 「はぁ……はぁ……」 良は胸を押さえる。 誰も追ってきていないことを確認し、 良は小さく頷いた。 『これでいいんだ……!』 七条と距離を置けば、きっとこの妙な動悸も治まる。 そう信じて―― 良は今日も、七条から逃げ続けた。

ともだちにシェアしよう!