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第15話 七条視点
七条は一人、教室に立ち尽くしていた。
足早に去っていく良の背中を、じっと見つめる。
「……柳瀬」
七条は訝しげに眉を寄せた。
ここ数日、どうにも柳瀬の様子がおかしい。
目が合えば逸らす。
近づけば離れる。
『……なぜ、俺から逃げる?』
「これは完全に避けられていますね」
核心を突く言葉が、背後から飛んできた。
振り返ると、玉城が立つ。
「……玉城」
「柳瀬会長に、何かしてしまったんですか?
心当たりは?」
「ない」
即答だった。
「…‥少なくとも、俺自身は」
「なるほど」
玉城は眼鏡を押し上げながら、意味ありげに七条を見る。
「では、嫌われてしまった……ということでしょうか?」
「っ!!」
七条の表情が強張った。
その反応を見て、玉城は小さく笑う。
「大丈夫ですか?」
「何がだ」
「罰ゲームの期日まで、もう半月ですよ」
「…………」
「このまま柳瀬会長に避けられ続けたら、
あなたの本当の目的も台無しでは?」
「……お前」
七条がじろりと玉城を睨む。
「楽しんでいるだろう」
「もちろん」
玉城はにっこりと笑った。
「幼馴染として、誰かに思い悩む晄を見る機会は、初めてだからね」
「悪趣味だな」
「褒め言葉として受け取っておきます」
玉城は楽しそうに眼鏡を押し上げた。
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