3 / 32
第3話
キキキキ--------ッッッッッ
***
起きるとそこは病室だった。
「和泉さん、起きましたか?今先生をお呼びするわね。」
看護師が病室を出て行く。
医者によるとどうやら俺は宅配の帰りに発情期になり、フラついた拍子に車にあたって気を失ったようだ。
「いやー、命に別状はなくて本当に良かったよ。
念のため、1日だけ入院して、明日帰りなさい。」
「はい、ありがとうございます。」
バイト中に発情期なんて散々だけど、
かすり傷程度でよかった。
店長に迷惑かけたな、、、。
俺は少し自責の念に追われたが、抑制剤を飲み、眠りについた。
***
場所は変わって、あるホテルの最上階。
「アァァァンッッ!!イィッッ、そこォ……ッッ」
「黙れ。喚くな、クソビッチが。」
女の豊満な胸を揉みしだき、腰を大きくグラインドさせる。
「ァンッ!海堂サァンっ………ン………チュッ………♡」
絶景の夜景が見えるこの部屋では、今宵も艶めかしい水音が響く。
コンコン……
「……失礼します。誠 さん、仕事の件ですが。」
「あぁ。………おい、この女連れて行け。」
「ぁっ、いや!海堂 さん!海堂さん!!」
半裸の女がドアの外で構えていた男2人に引きずられていく。
「悪い。…で、要。仕事の件っつーのは、『Rouge 』の件か?」
「はい。最近キャストが減ってきたもので、そろそろ新しいキャストを集めるのが良いかと。」
「そうだな。またお前に期待してるぞ、要 。」
「ありがたき幸せ。お任せください、誠さん。必ずいいキャスト探してくるんで!」
所々敬語が砕けているのは、佐倉 要 。
そして佐倉が敬意を示す、人とは違う圧倒的なオーラを放つ男は
海堂 誠 。
日本で有名な風俗店、SMクラブ『Rouge』を軸に店舗を多く増やしている海堂グループの敏腕若手社長だ。
「そろそろΩの男をスカウトしてこい。Ωは売れる。」
「そうですね、美人なΩくん連れてきますよ。」
そう言って佐倉はニヤリと笑った。
ともだちにシェアしよう!