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第15話

*** 「誠さん、遅くなって申し訳ないです。」 「あぁ、助かった、要。もう今日は上がれ。」 「ありがとうございます。ではまた」 海堂の家に着き、佐倉は紫音を引き渡して帰った。 「紫音。俺の置き手紙は見たな?」 「……見ました」 「出て行くな。そう書いてあったはずだが」 「……そうですね」 優に見られたショックで何をする気にもならない。 海堂さんの声がスーッと耳を通り抜けて行く。 「おまえ、出て行ったと思ったらこんな顔して帰ってきて。一体何があったわけ?」 「海堂さんには関係ない」 「ふぅん。そっか、なら無理矢理吐かせるしかないね」 そう言って、海堂さんは俺をベッドの上に投げ飛ばした。 「ほら、おまえもう外に出られないようにしてやるよ。」 カチャン 首輪をつけられ、首輪につながる鎖をベッドに繋がれる。 「そこに四つん這いになれ。」 *** 「……んんぅ………ぁう……や……」 ブゥゥゥン 無機質な音と艶めかしい声が響く。 「…か…いど…さぁン…………」 両手両足を動かないように固定され、四つん這いの姿勢のまま後ろにバイブを挿されている。 挿した本人は俺の隣で何事もなさそうに寝ているのだ。 「とってェ……やだ…やだ……海堂さんっ…」 ただ震えているだけのバイブに俺の身体はどんどん熱を持って行く。 もどかしい。 もっと激しく動いて欲しい。 下半身を揺らすがイイ所にはなかなか当たらない。 『このバイブ、スイング機能や射精機能もあるらしい。』 寝てしまう前に海堂さんはそう言っていた。 リモコンさえ見つければ、もう少し激しく動くんじゃないかって。 リモコン、海堂さんのポケットに入っているのを俺は知ってる。 だから海堂さんのすぐ側まで頑張って身を滑らせてきたが、手が思うように動かなくてポケットには届きそうもない。 「海堂さんっ……かいどっさんっ!!」 頭を海堂さんに擦り付ける。 すると、海堂さんはうっすら目を開けた。 「なに。落ち込んでる理由話す気になったか? ま、その様子じゃもうそんな悩みどうでも良さそうだな。」 ──ああ、ほら。 俺ってば、さっきまで優に幻滅されたんじゃないかって、ずっと悩んでたのに。 「親友にッ………犯されてるの見られて呆れられたかなってッ………だからっ」 「へぇ。おまえにもまだ羞恥心はあるの?玩具に善がってるど淫乱の癖にそんなことで悩んでるのか?」 「〜〜〜ッッ!!」 もう俺は戻れない。 セックスという快楽に深く飲まれた、 浅ましい人間になったから。 「まぁ、ちゃんと言えたからご褒美。」 「キャァアアアアアゥ!!!なにッ?!ヒァアアアアア!!!」 「なんか擬似射精?バイブの先からローションが出るんだって。営業が持ってきて面白そうだから店に取り入れようかなと思ったんだけど、おまえ一足先に体験できてよかったね」 ドピュッ!ドピュッ!! バイブが俺のナカを掻き回しながらローションを出しまくる。 「おまえ、すごいね。玩具に犯されてるみたい。涎垂らして、そんな気持ちイイの?」 「き、、もちいいれす、、、ふぁッ…」 「ほら、指舐めて。歯立てないようにね。」 「……ン……チュッ……ハァ……」 海堂さんの指は綺麗だ。 細くて長くて苦しい。 それがたまらなく気持ちイイ。 ケツに玩具突っ込まれて、 口には指を突っ込まれて、 時々鎖を引っ張られて体が反る。 苦しいのに気持ちいい。 ──俺はどんどん快楽に堕ちて行く。

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