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第19話
***
海堂さんと暮らし始めて、
というか閉じ込められて約2週間。
あれから毎晩のようにセックスに耽り、ぐっすり眠れるようになった。
海堂さんとのセックスは日に日に激しくなっていき、
最近は射精管理をされたり、
媚薬を飲まされて放置プレイをされたり、
でもそれで俺が喜んでいるのも確かだ。
ただ、そろそろ発情期がくるはずで、昔は死ぬほど嫌だったそれが今は快感を強くする要素でしかなく、なぜか楽しみにしている俺がいる。
俺は今日もジッと海堂さんを待った。
***
「ただいま」
「海堂さん!おかえり!!」
チュッ....チュッ....
「ン…きもちぃ。海堂さん、もっと…」
「あとでな、先シャワー浴びる」
これは最近分かったことなんだけど、
海堂さんは俺が甘えるとその日は優しくしてくれる。
昨日は激しくて疲れてる。
けど、セックス自体はしたい。
そういう時に俺は思いっきり海堂さんに甘える術 を得た。
「紫音、おいで」
「うんっ」
バスローブを身につけた海堂さんの胸板に頬を寄せる。
「おまえ、前まで生意気だったのにあざとくなったな。」
「海堂さんはどっちの俺が好き?」
「どっちでも可愛いよ、おまえは」
俺の髪に顔を埋めながら背中を撫でてくれる。
最近海堂さんに『可愛い』と言われるたびに嬉しくて、こうやって家に閉じ込めて『大切』にしてくれているんだって思うと、心がぽかぽかとあったかい気持ちになる。
自分の中にある海堂さんへの気持ちが
"like" なのか、
はたまた
"love" なのか、
それは自分にもまだ分からないけど、
『Ωだから恋はしない。』
そう決めた俺にとって、その気持ちは俺の中の何かを変える大事なものだと思った。
***
海堂さんに抜いてもらってスッキリした俺は、海堂さんの腕の中に収まって寝る体勢に入る。
「紫音」
耳元でそっと囁かれ、ドキッとした。
「なにー?」
「明日から3日ほど、出張に行く」
「え…」
それは想定外すぎて、俺はなかなか言葉が出なかった。
よくよく考えれば、海堂さんは社長だし、最近色んな方面から引っ張りだこだとも佐倉から聞いた。
前に一度、俺が寝た後に仕事をしているところを見たこともある。
俺のために、無理してくれてたのかな……。
「1人で留守番できるか?」
「うん…」
「悪いけど、まだ家から出してやる気はない」
「それは別にいい」
「悪いな。」
明日からなんて。
突然すぎて寂しくなった俺は、海堂さんにギュッとしがみつき、鼻をすすった。
そんな俺を海堂さんは抱きしめながら背中を擦って宥めてくれた。
「ごめんな、紫音」
申し訳なさそうな声で謝られて、
俺はなにも言い返すことができなかった。
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