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第23話

*** 朝、あまり良くない目覚め方をした。 (セックスしたい、セックスしたい、セックスしたい) 俺のモノは完全に上を向いている。 「なんで…っ、今なのっっ!?」 ──発情期がきた。 でも、海堂さんが帰ってくるのは早くても昼だ。 俺は抑制剤を飲むため、足の震えを抑えながらキッチンに行った。 (確かこの辺に……) 錠剤の類をまとめてあるケースを見てみるが、俺は買い足すのを忘れていて、あと1錠しかなかった。 俺の買ってる抑制剤は2錠で12時間の効果を発揮する。 じゃあ1錠6時間……? と、単純な計算をしながらも無いよりはマシだと思い、口に含んだ。 *** 「ただい………ぅわっ!?なにがあった?!」 時刻は15時。 玄関のドアが開いたその先は、ものすごい濃度のフェロモンが充満していた。 「紫音!!紫音、どこだ?!」 海堂さんの声………。 「……きついな。ここか?」 ガラガラッ 俺のいる部屋の扉が開けられた。 「紫音っ!!紫音?!」 揺さぶられて目を開ける。 視界が霞んでボヤァっと海堂さんの輪郭が見え始めた時だった。 「ハァッ……ゥ……!!!」 急に海堂さんが俺に跨り、後ろの穴を刺激した。 少しはっきりしてきた意識を海堂さんに向ける。 海堂さんの目はギラギラと、今までにないくらい欲望に溢れていた。 そして、俺の首輪に手をかけ外そうとする。 「なっ…、なにして!!………あ!!」 そして俺は気づいた。 海堂さんは俺の(うなじ)を噛もうとしているのではないか。 αは強いΩのフェロモンにあてられると、我を失い、そのΩをものにしようとする。 というのは、Ωには何度も聞かされているような有名な話だった。 「ダメっ!海堂さん、離してっ!!」 俺が必死に抵抗しても、海堂さんの耳には入っていないようだ。 寧ろ、αである海堂さんからも強烈なフェロモンが放たれ、それに呼応するように俺のフェロモンもますます強くなり、悪循環に陥っている。 「やめて!ダメ!海堂さん!!」 敵わない。 抵抗したって、この人の前ではただの悪あがきだ。 冷静な海堂さんなら、鍵を持ってきて首輪を外すのだろうが、今の海堂さんはその思考すら出てこないほど興奮している。 首輪が壊れる前に逃げなくちゃ。 ガクガクと震える体を鞭打って、四つん這いになり逃げようとすると、海堂さんは俺の足を引っ張り、自分の元へ引き寄せた。 *** 「…………………っ、はぁっ……………ぅっ………」 「キャアアァァァウゥ!!ィッ....アアァアアアアァァア!!!!」 バチュンッバチュンッ.... 気持ちよさ故の息遣いが漏れ、 一方では泣き叫ぶような悲鳴、 そして肉と肉のぶつかり合う音。 俺のの後蕾からは入りきらなくなった精液と、 激しく性交したことを物語るように血が混ざり 白と赤のなんとも言えない混濁液が滴り落ちる。 「…も、もぉ……、やめてぇ………」 ピクピクと体を震わせ、目から涙を溢しながら懇願する青年の姿は、見るものの胸を打ち、たちまち虜にさせてしまうほど神秘的だ。 そしてその青年の後蕾にまだ熱く脈打つ肉棒を打ち続ける男の表情は、全ての女が欲情してしまうほどの妖艶さ。 「……クッ、……イクッ!!!」 ドピュッ....ビュルルルル... 男は実に10回目の射精をして、気を失うように倒れたのだった。

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