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第24話

(海堂side) *** ──朝起きて血の気が引いた。 俺のそばでグッタリと横たわり青白い顔をしているのは、紛れもなく紫音だ。 そして紫音の後ろからは俺のものであろう大量の精液。 尻は裂けて血が出ている。 「紫音…、紫音?」 声をかけても全く反応はなくて、ただ呼吸をしていることに酷く安心感を覚えた。 紫音を抱き上げ、風呂場に連れて行き、お湯で濡らしたタオルで紫音の体を拭く。 正直、 『犯した』 この言葉が一番しっくりくるくらいに酷い状態であったことは間違いない。 昨日、丸3日かかる予定だった出張を少し早めに切り上げ、3日目の昼に終わらせ急いで帰路に着いた。 テレフォンセックスという虚無感に駆られるようなことをさせてしまい、眠りながらも「寂しい」と呟く紫音の元へ早く帰りたかった。 少し息を吐いて扉を開けると、中は高濃度の紫音のフェロモンが充満していた。 鼻を塞いで家の中を探し、寝室の隣の少しこじんまりした部屋の扉を開けると、辺りより更にきついフェロモンと、そして部屋の真ん中でうずくまる紫音を見つけた。 紫音の肩を掴み、声をかけたところまでは覚えている。 あれからの記憶がないのだ。 おそらく、高濃度のフェロモンに耐えられず、俺の本能が理性を奪ったのだろう。 こんなに悲惨な情事の後と傷を見る限り、 きっと、痛いと嘆いたはずだ。 俺はこの小さい体になんてことをしてしまったんだろうか。 唯一の救いは、俺がつけた首輪のおかげで項を噛まずに済んだこと。 もしかしたら、と思ってずっと首輪だけは付けていたが、まさか本当にこんなことになるとは…。 番には、いつかなりたいと思っている。 けれどそれはちゃんと同意の上で、 紫音の気持ちを聞いた上でなりたいと思っている。 紫音に服を着せ、毛布に包み込み、 空になっていた抑制剤の瓶を確認して、薬局へ向かった。

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