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第25話
***
「………ぃったぁ」
体を起こすと下肢が悲鳴をあげて動ける気はしない。
俺の隣には海堂さんが寝ていて、その隣にはミネラルウォーターと抑制剤が入った瓶が置いてあった。
今は体に違和感はないし、きっと海堂さんが抑制剤を買ってきて飲ませてくれたんだと思う。
それに体も綺麗だし……………、って。
「アァァ!!!か、海堂さんっ!海堂さん起きて!!!」
「ん……、なに」
ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!!!!
「海堂さん!!避妊薬持ってませんか?!!」
「は……?………………あ。」
忘れていた。
昨日海堂さんは何回も何回も俺の中で出した。
俺はΩ。
つまりは女性に中出しするのとそう変わらないのだ。
「悪い!すっかり忘れてた…。マズイな、もう薬局閉まってる。」
「え?!もうそんな時間なんですか?!」
「あぁ。お前軽く12時間は寝てた。今は深夜の4時だ」
ええぇ!?
どうしよう、本当にマズイ。
妊娠なんてしちゃったら俺これからどうすればっ……
「要を呼ぶ。少し待ってくれ」
そう言って海堂さんはスマホを持って廊下へ出た。
***
「誠さん、持ってきました。」
「あぁ。こんな時間にすまなかったな、要。」
「ほんとですよ。俺にだって休暇ください〜」
「悪い。今度まとめた休みを出すから我慢してくれ」
玄関の方で海堂さんと佐倉の声が聞こえる。
避妊薬…、なんとか間に合いそうだ。
「大体誰に種付けしたんですか。女にはしませんよね?誠さんめんどくさがりだし………、ってことは、え?紫音くんですか?」
「……………」
「図星ですね…。彼、まだ未成年なんですから。海堂さん、10歳も歳離れてるんですから対象外でしょう?しっかりしてくださいね。では失礼します。」
「あぁ、助かった。」
………………なに?
なんだろ、なんでかわかんないけど胸がズキズキする。
今の言葉のどこに俺は引っかかったんだ。
「紫音、避妊薬持ってきてもらったから」
「あ…、うん。飲む!」
俺は指定された数の錠剤を手に取り、ベッドサイドにあるミネラルウォーターと一緒に飲み込んだ。
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