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第2話

「翔ー? ねー、ちょっとっ! カーテン丈長過ぎんだけど?」 「え?! マジでー? あー、ホントだ。 おかしいな…。」 「これだいぶ長い…。どーすんだよ…。」 引っ越し早々から珊瑚に睨まれる翔…。 しかし何事もポジティブに!がモットーの彼はこれしきのことではへこたれない。 「とりあえずピンかなんかで裾のとこ留めておけばOK!」 「いや…ダサいって…っ!!」 「あははっ! 逆に洒落てるって!」 ベッドだけは大きくて、丈夫でちょっと良いものを買った。(珊瑚のアパートにあったやつを壊したから) 2人でシーツの端と端を持って広げ、あっという間にベッドメイキングを終えた。 「…いー感じだね?」 翔が呟いた。 ダークブラウンとアイボリーのシンプルで落ち着いた色合いで揃えた寝室兼2人の仕事部屋。 珊瑚は整えたばかりのベッドに寝転んで翔を見つめた。 「そうだな。 …せっかくだから新しいベッドの寝心地を確認しとく?」 含みを持たせた珊瑚の言葉に翔はニヤリと笑った。 「おっ! …いーねっ!ちゃんと耐久性も確認しないと!(笑)」 「ん…っ! …あ、待て…! 翔ー、ゴムとローションどこしまった? ここ?」 珊瑚が手を伸ばしてベッドサイドのチェストを探るが、引き出しの中身はまだ空っぽである…。 「あー…まだしまってない。 あれ? どこだっけ?」 見渡した寝室の隅には段ボールの山…… 2人は思わず顔を見合わせた。 「バカ…っ! そーいうのは手荷物で別にしとけよ。 これから友達手伝いにくるのに見られたら話のネタになるじゃん!」 「ごめーん! あれ? 新婚さんのイチャイチャタイムは?」 「…翔のせいだろー? ったく! …夜までに探しておけよ?」 「えー? ちょっと!珊瑚ー? いーじゃん! ちょっとくらい…!」 スイッチの入った翔は珊瑚をベッドに連れ戻して押し倒し、キスを仕掛けた。 「なっ! おい…っ! ん…っ!」 「珊瑚ー! めちゃくちゃ愛してるっ!」 「…バカ。 俺だって愛してる。」 End

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