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第4話 ※R18

「あ、俺にもちょーだい。」 情事後のベッドで翔は珊瑚が咥えている煙草をねだる。 無言で翔の口へ運ぶ珊瑚は少し気だるげだ。 「……。ついでに窓開けて。」 「了解。」 下着とジーンズだけ履いた翔は、換気の為に寝室の出窓を開けるとのどかな街並みを眺めながら「いい天気だな…」と呟いた。 煙草の灰を灰皿へ落とした翔は、ふぅー…と紫煙を吐いた。 以前日本でバンドをやってた時は1日1箱は吸っていた煙草も、今では情事後とLIVE後だけの習慣になっている。 家では心臓病を抱えるサチがいるし、基本的に2人とも吸わない。 珊瑚の実家で過ごしてた時は家の外で吸ってたが、こどもたちが自分を呼びに来てくれた時、ふとこどもの顔の高さに火のついた煙草を挟んだ手が近いことに気付いてヒヤリとしたものだ。 そんな些細なことも含めて自分もだが、珊瑚もずいぶん丸くなったと思う。 今でもツンツンしてるところは変わらないし、そこがまた可愛いのだが、なんとなく雰囲気がやわらかくなった気がするし、彼の撮る写真にも暖かみが増したと思う。 それが自分と結婚して得たものならば嬉しいなぁと翔が考えていると… 「何にやけてんの? 美女でもいた?」 「えっ?! そんなんじゃないけど…(苦笑)」 翔の背後から身を寄せた珊瑚は翔の口元から短くなった煙草を手に取り、灰皿に押し付けた。 「学校終わるまでまだ時間あるよな? …もう一回しよ?」 「…もうちょいだけインターバルもらっていい?」 アッシュとサチを学校へ送り出してから、既に数回抱き合った。 昨夜はLIVEに呼ばれてドラムを演奏してきた翔はほとんど眠っていない。 しかし明日から撮影で数日留守にする珊瑚。 2人きりの時間は僅かだった。 珊瑚は少し不服そうな顔をすると、翔の腰に手を回した。 「…えー? すぐがいい。 あ! じゃあ翔が下やる?」 「それはヤダ…。」 珊瑚の提案に即答した翔に苦笑する珊瑚。 「…次から栄養ドリンク買っておけよ。」 「えー? さすがに今からそこに頼る程じゃないって! ふぁ…、眠…っ!」 「あーあ。…欲求不満でナンパされたらついてくかもなー。」 真面目な珊瑚はそんなことしないだろうけど、ついそんなことを呟いた。 翔は揃いの指輪が光る左手を繋いで彼を捕まえる。 「ダメダメ! もー…(苦笑) しょうがないな、若い奥さんだから頑張らないとねー。」 「奥さんー?(苦笑) そういうガラじゃねーし。」 そう答えた珊瑚は翔の肩を押してベッドに乗り上げた。 「え…っとー? 珊瑚くん??」 そのまま覆い被さり、足を絡ませながら唇や顔、首もとにキスをくれる積極的な珊瑚にハラハラする翔。 「そんなビビらなくても…(苦笑) 今更他の男と寝たりしないって…!」 笑いながらそんなことを言って、翔の下肢に触れながら脱がしていく珊瑚… 「なんだ…! 元気じゃん?(笑)」 「はは…っ! だから眠いだけで、そんな枯れてないって…(苦笑) ん…っ! な、に? もしかして上乗ってくれるのっ?」 「ん…。 たまにはオッサンを労ってあげようと思って…」 「コラコラ…! そういうこと言うと…オッサンの性欲なめないでね?けっこうしつこいよー?」 くすくすと笑い合いながら唇を合わせた。 抱き合って、超レアな騎乗位に感激しつつ、年上の意地で最後は主導権を握り、最高の夜…ではなく、昼を過ごした。 翔は微睡みの中で珊瑚の呟きに耳を傾ける。 「割りといろんな男と寝たけどさ…、」 「…イヤなこと話さなくていいよ。」 翔は珊瑚の頭を撫でて目を瞑った。 「…そーじゃなくて…。 翔とだけするようになったら…なんかいろいろ変わった。 自分と向き合えるようになったし…、写真も…師匠が良くなったって…。」 「…あー、つまり俺とは最高ってこと?」 「バカ…!(笑) まぁ…それもあってる…けど…っ! 寝てる? …ありがと。 」 珊瑚照れ臭そうにそう言うと、幸せいっぱいの顔で翔の頬にキスをおくった。 End

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