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第14話 ※R18
そして迎えたクリスマス当日…
凪と紅葉の協力で2人きりで過ごせることになった。
買ってきた食事をとり、ワインをあけた。
新居はまだ慣れないが、居心地は悪くない。
「珊瑚、もう飲まないの?」
「ん。今日はもういい。
…しよ?
先、シャワー浴びてくる。」
「え?あ、はい。」
ムード作りなんて知らないし、出来るだけいつも通りに振る舞い、浴室で準備を整える珊瑚…。
久々に触れるソコは違和感と緊張感がハンパない…。
「やっぱ、もう一杯飲んでおけば良かったかも…」
怖じ気付くがなんとか準備を進め、バスルームを出る珊瑚。
翔がシャワーの間、新しい家の新しい寝室で待つ。
いつものオモチャは出さず、ローションと新品のゴムを用意して翔を待つ。
「珊瑚ー? 水飲む?」
「いい…。
翔、早く…!」
「っ!」
いつも通り激しいキスで始まる。
互いに部屋着を脱ぎ捨てながら、ベッドに上がる。
「……、翔…!」
「ん…?」
「…今日は…挿れ、ろよ…っ。」
「えっ?
…いーの?
もしかして、クリスマスだからっ?」
喜ぶ翔は嬉しそうでやはり挿入ありの行為がしたかったのだと珊瑚は悟り、受け入れる覚悟を決める。
ローションを手に足を広げ珊瑚の秘部に触れようとする翔…。
「いい…。
もう、慣らしてあるから…」
「え?そうなの?
でも…久々だし、俺にもさせてよ。」
「いーから早くソレ突っ込めよ。
もう勃ってんだろ…」
「珊瑚…(苦笑)
…焦んなくても後でちゃんとあげるよ。
珊瑚が痛かったり、中傷つけたりしたらイヤだから…ちょっと待って…。」
「っ!…っ、ぁ、ひ…っ、待っ!」
ほんの少し挿ってきた翔の指は自分の指より太さもありゴツくてその違和感に珊瑚の身体が強張る。
そして翔もその狭さに驚きの声をあげた。
「…狭…!
ほら、中…ローションたっぷりだけどまだ全然キツイよ。これ、自分でしたの?」
「…っ! あ、翔…!」
「珊瑚…、
そんな締めたらキツイでしょ…?
力抜いて?
ってか、指…一回抜こうか…?」
「だ、め…っ!」
上手く呼吸が出来なくて焦るほど、身体に力が入ってしまう。
「…珊瑚…。
…泣かないでよ…!
あー…マジで…?
ちょ…っ、待って!
大丈夫だから…!
ちょっと一回落ち着こ?」
「泣いてねーよ…。」
まるで一番キレイな海の水のような涙を流す珊瑚に動揺する翔。
一時休戦だと告げて、指を抜いた翔は力なく震える珊瑚を抱き締める。
「…挿れるの苦手なんだよね?
前言ってたし…
それでも頑張ってくれたの嬉しかったけど、でも…珊瑚がツライの我慢するみたいなのは…ちょっと違うと思う。」
「ごめ…ん。」
「…謝らなくていーよ。
大丈夫…?俺…さっき痛くしなかった?」
どこまでも自分を気遣ってくれる翔の優しさに、深呼吸した珊瑚は落ち着きを取り戻した。
「へーき…。
はぁ……。
なんか…
SEX上手く出来なく凹むとか…紅葉みたいだ。」
「そう?
珊瑚は珊瑚だよ。
涙まで全部キレイ。」
「……別にキレイじゃねーし…。
ってか、俺…ゴツくなったじゃん?」
急な話の切り替わりに驚く翔。
「え?
あー、キレイに筋肉ついたよね!
カメラ重いもんねー!」
「…いや、そーじゃなくて…。
普通に、男だから…
紅葉みたいに線も細くねーし…。」
「…?だから?
俺もウェイト増えたし、言うほど気になんないよ?」
「……でも…抱くにはさ…」
「…? 珊瑚が男なのは分かってるよ?
だから別に女性らしさとか細さとかは求めてないけど…。
あと、珊瑚が嫌じゃないならホントは抱きたい。」
「……俺も、したい、んだけど…。
……ごめ…!
俺、最近なんかフラバするんだ…それで…!」
「フラバ…?
あ、フラッシュバッグか!
…俺、なんか嫌なことした?
え…下手過ぎて痛かったとか?
ごめん!ガツガツし過ぎって言われたことあったよね?」
「…翔じゃなくて…!
…昔…のこと…思い出して…。
誘われるままに適当に遊んでたから…、イイ気になって相手に酷いこと言ったり…都合のいいように利用してた。…特に一人だとそいつらが夢に出てきてさ…、仕返しだって言って家族に手を出そうとしたり…お前にも酷いこと言うんだ。」
「そっか…。
そんな自分のこと責めなくて大丈夫だよ。
珊瑚は真面目だから…いろいろ後悔してるんだね…。おばあちゃんが亡くなってから自分が家族を守らないとってプレッシャーの中、めちゃくちゃ頑張ってたし、そーいうのもあるのかなー。」
「…そうなのか…?」
「んー…考え過ぎちゃってストレスになったのかもね…。
でもまだこどもだったんだし、上手いこと言われて誘われたらって普通だよ。
俺だって若い時は…え…、"若い時は"?
ヤベー…いよいよオッサンくさいな(苦笑)
えっと…、SEX覚えたての頃とかは一晩限りとか、酔っ払って覚えてないとか、化粧落とした相手が別人過ぎて半日泣いてたこともあったし…(苦笑)」
「……。」
翔がモテてたのもチャラかったのも分かっていたが、珊瑚は思わず白い目で伴侶を見つめた。
何に悩んでた?
何で結婚したのか?と、別の悩みさえ浮かぶ珊瑚。
「……えーっと…?
過去があるのはお互い様だし…、だけど…今、珊瑚がツライのはそれがホントのSEXと違ったって認識出来たからだと思うし…。
…俺、パートナーなのに珊瑚がそんなに苦しんでるのに気付けなくてごめんね。
怖いのに…受け入れようとしてくれてありがとう。こんなこと言うの不謹慎かもだけど、俺はそれが珊瑚の愛だって分かって…すごい感動してる。
だから…あとは…2人で一緒に乗り越えよう?」
翔の言葉に珊瑚の瞳から再び涙が溢れた。
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