25 / 88
page25
「椿姫、やっぱり戻ってた。今からゲームセンターに行こうか。ウグイスの縫いぐるみが欲しいんでしょう? ポポルから聞いたよ。……どうしたの? 具合が悪い?」
真城は優しい。
オレの気持ちを汲み取って、理解しようとしてくれる。
今だって蹲っているオレを気遣ってくれている。
だけど――。
同情なんていらない。
オレは真城と付き合いたかった。恋人のようにキスしたり、笑い合ったりしたかった。
でも、真城は違う。
彼女いるのに、オレなんかを抱いて何やってんだよ!
いくら苦しそうでも放っておけばいいだろうに。
優しいにもほどがある!!
「……行かない」
「椿姫?」
真城の手が、オレの腕を掴む。
「オレの名前、気易く呼ぶな。同情なんていらないっ、もういい!!」
ともだちにシェアしよう!