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 真城の腕を振り切って、走って走って……やって来たここは何処だろう。  気が付けば、石畳が敷かれている裏路地みたいなところでしゃがみこんで泣いていた。 「……っひ」  苦しくて。  悲しすぎて涙が止まらない。  オレだけが真城のことを特別な目で見ていたんだ。 「ねぇ、君ひとり?」  掛けられた声に顔を上げると、大学生くらいかな。背の高い男三人がいた。 「君、可愛いね。男の子? もしかして彼女に捨てられたの? それとも彼氏に捨てられたのかな?」 「――――」 「一緒に遊ぼうよ。俺らなら、ずっと気持ちよくしてあげられるし。男を知らないんなら教えてあげる。大丈夫、優しくするから。すぐに忘れられるよ」  ――本当に、忘れられるだろうか。  真城のぬくもりも、優しさも。  全部?  もうなんだっていいや。  真城のことを忘れられるなら誰だって……。

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