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「この子は俺らと楽しく遊ぶんだよ」
「そうそう、楽しいことしてな」
男の手がオレの腕を掴む。
思いのほか強く掴まれて痛い。
オレは為す術なく身体が引きずられていく。
だけど真城は許さなかった。
「黙れ、汚い手で椿姫に触れるな!!」
今までに見たことのない剣幕でそう言う彼は、いったい誰?
少なくとも、いつもオレが見ている真城じゃない。
オレはただ何もできなくて、ただ呆然と突っ立っている中。
――真城はやっぱり強かった。
大学生相手でもものともしないなんてどれだけ格好いいんだろう。
三人をあっという間に片付けたんだ。
彼らはうんうん唸り声を上げて蹲っている。
――ああ、やっぱりオレは真城が好き。
すごく好き。
彼女がいるってわかっていても止められない。
どうしよう。
どうしたらいいの?
この気持ちを抑える術を教えてほしい。
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