41 / 88
page41
★,゜.:。+゜魔法少女LOTUS゜+。.:。゜,★
僕は一色 蓮 。若葉学園に在学中の2年生。
でも僕にはもうひとつの顔がある。それは――。
「準備はできたか? お前はツバキと違ってトロいから俺は心配だぜ。いいか? 忘れるなよ? ちょっと気になる場所があるから偵察に付き合え。今日も四時に裏門で待ち合わせな」
「あ、うん。わかってるよ、ジェッタ」
僕に話しかけてきたのは小さな妖精、ジェッタ。なんでも彼は『ゼレンティーテ』っていう魔法の国からやって来た妖精で、今世間を騒がせている魔法少女ツバキのパートナー、妖精ポポルと王子を守るために使わされたらしい。
それで僕は、彼ジェッタにパートナーとして選ばれ、ツバキ同様、魔法少女をしているんだけど……。
僕って本当にのろまでドジ。だからいつもツバキが事件を解決するんだ。
おかげで僕のことは世間にはまったく知られていない。
まあ、僕としては女の子の格好をした姿を見られるのは恥ずかしいから有り難いことなんだけど……。
「ほら、ボーッとしてないで学校、行ってきな」
ああ、僕ってばまたぼーっとしてた。
時刻は8時15分。家から学校までの距離だと遅刻寸前、間に合うかどうか。
僕はジェッタに背中を押され、慌てて玄関を飛び出した。
ともだちにシェアしよう!