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黒江くんだ。
「くろえ、く……」
どうして黒江くんがここにいるのかとか、
どうして軽々とモンスターをやっつけてしまったのかとか、
今の僕はそんなことどうでもいい。
僕はコクコクとうなずいて、どうにか離れようと試みる。
だけどダメ。身体が熱くて震える。
「奴の催淫剤にやられたか」
こんな穢らわしい僕なんて見られたくない。
僕を見ないで。
「みな、で……おねが」
汚い僕なんか見ないで。
「っふ、あっ。やああっ!」
煩わしい触手が消えて吐精できるかと思ったのに、僕の身体はなんだかおかしくて、思うようにできない。
ジタバタしていると、黒江くんが僕を抱えて海岸沿いに下りた。
「くるし……」
苦しい。
吐き出したい。
でも黒江くんの前ではそんな姿を見せたくない。
いくら今の僕が魔法少女ロトスで、一色 蓮だって黒江くんがわからなくっても、それでもイヤなものはイヤだ。
だから砂浜のそこを這って黒江くんから遠ざかろうとするのに……。
剥き出しになっている僕の一物が砂地に擦られただけでも反応してしまう。
「っひ、ああっ!」
身体を反らして吐精を必死に耐える。
そんな僕を、黒江くんがすぐに引き戻した。
「おい、そんな状態でどこに行くんだ? 下手したらそこらへんの野郎共に集団で食われるぞ?」
ーーいい。
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