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「一色?」  いっそう身体を引き寄せられたら、太腿の間にある僕の一物が黒江くんの足に当たった。  それだけで、イってしまいそうになる。  僕の身体はいつの間にかこんなに淫乱になっちゃったんだ。 「いやあっ! ぼくにさわらないで! もう、やあああっ!!」  泣き叫べば、黒江くんの薄い唇が僕の口を塞いだ。 「んぅ、っう、っう……」  僕の口内に、ぬるって舌が入り込んでくる。  キスされて、口内を我が物顔で弄られてーーそうしたら、僕の膨らんだそこはじっとりと濡れていく。  想ってもいないのに、こんなキスはやめて。  いやだ。  こんなの、望んでない!! 「やあっ! 黒江くんはななせくんが好きなんでしょう? だったら放っておいてよっ! 僕を利用したいならそう言ってくれればいい! だから、もう、やめて……僕を抱いたりしないで……」  お願い。  好きでもないのに抱かれるのは一番苦しい。  僕は黒江くんに好きって言ってしまった。  彼はきっと、内心でほくそ笑んでいるだろうことは、もうわかっている。 「……っひ、っう……」 「椿姫? ああ、あれはただ反抗的な態度が面白くってからかっていただけだ。お前に手を弾かれてわかったよ。俺はお前が好きなんだって」

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