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「うそっ!」
「嘘じゃない! 俺はっ!!」
違う? 何が違うの?
黒江くんが僕に近づいたのは、ロトスを利用するため。そうでしょう?
そんなに目障りなら、いっそのこと殺してくれればいい。
ジェッタは僕よりもずっと頼りになる魔法使いを探すだろうし、僕がいなくなっても誰も悲しまない。
だから、もういい。
「……て」
「一色?」
「殺して。さっきのモンスターをやっつけたみたいに僕を殺してよ! そうしたら、もう黒江くんの邪魔にもならないから……」
僕だって、こんなに醜い自分は嫌い。
モンスターに色んな所を触られて快楽を感じる僕なんて――。
大嫌いだ。
それとも、黒江くんが人殺しをしたくないのなら、僕が――。
イッソノコト、シンデシマオウ。
ああ、どうしてこんな簡単なことを思いつかなかったんだろう。
僕は押し寄せてくる快楽で散乱しそうになる魔力をなんとかステッキに念じると、そのままロングソードへと変化させた。
これでひと思いに心臓を突き刺せばいいだけのこと。
そうしたら、このおかしな疼きも穢らわしい身体も、黒江くんへの想いも全部、消えてなくなる。
黒江くんに至っては、魔女に誉められて昇格するかもしれない。
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