いつも被っている帽子はいつの間にかなく、帽子を取った端正なケイの顔が目の前までくる。呆然とその整った顔を眺めていると、顔が近付いてきてキスをされた。最初は啄むように、その間隔が短くなるとケイの温かい舌が奏の口内に侵入してきた。拒まないといけないのに、ケイの舌使いの気持ち良さに奏の頭はぼうっとしてくる。 　クチュクチュと卑猥な水音が耳に入り、それがダイレクトに脳に響く。 （気持ちいい……） 　奏はケイの舌使いに翻弄され、されるがままにケイの舌を追った。 　不意にケイの左手が奏のTシャツをたくし上げ、胸の中心に触れた。 「ひゃっ！」 　ゾワゾワとした感覚が押し寄せ、思わず奏は声にならない声を洩らした。右の乳首は指で摘まれ、もう片方の乳首は舌先でペロリと舐められた。かと思うとケイの口の中に納まり、ちゅうっと音を立てて吸われた。 「あぁ！　やあ……！　そこ……やだぁ……！」 「イヤ？　気持ちいいでしょ？」 「わかんな……い……！　ゾワゾワするよぉ……」 　ケイの唇が胸から離れると、今度は首に唇の感触を感じた。ちゅっ、ちゅっと音を鳴らし、最後にキツく吸われ痕を残された。 「だ、駄目……！　痕残しちゃ……」 　ふと、笹尾の顔が浮かびケイに付けられた痕を見たら笹尾はどう思うのだろうかと考えが過ぎると、ケイの体を力なく押した。 「駄目なの？」 　再び体を引き寄せられると再びキスをされ、下唇を甘噛みされた。 「あっ……」 　じわじわとした下半身の疼きは、とうとう誤魔化しが効かない程に主張し始めていた。 「かわいい……」 　耳元でそう呟かれ、耳朶も甘噛みされた。奏の全身が性感帯になったようにケイに触れられる所全てが敏感になり、全身が熱を持ち始めたように熱かった。 （触ってほしい……） 　布越しでも分かるほど奏の中心はすっかり立ち上がり、既に下着が汚れているのを感じた。それに気付いたように、ケイの手が奏の下着に触れた。