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第7話

触れては離れる接吻を繰り返され、僕はされるがままになっていた。 「怖いか?先生、震えてる……」 そう言って背中を撫でてくれる加寿也君。 僕の意思とは関係なく、身体が与えられる刺激に反応したのか震えたんだ。 それを説明しようとしたけれど、言葉にならなかった。 だから僕は懸命に首を横に振って、そうじゃないと伝えようとしたんだ。 「あ……あの……その……」 ようやく出た声も震えてしまった。 そんな僕を、加寿也君はじっと見つめていた。 そのまっすぐで綺麗な瞳で見られると、胸が高鳴っていくのが分かる。 「す、すみません、初めての事だったので……」 そう話すので精一杯だった。 「……あぁ、そうか。女を知らないだけでなく、男も知らねぇのか……」 加寿也君はそう言って笑うと、僕の唇にまた唇を重ね、今度は舌を僕の口の中に滑り込ませてくる。 「んん……んぅっ……」 上手く息が出来なくて、加寿也君の身体なしでは立っている事さえままならなくなっていく。 気がつくと、僕は加寿也君の身体にしがみつくように立っていた。 「は……ぁ……」 心臓が今まで聞いた事のないような音で鳴っている。 加寿也君はそんな僕を嬉しそうに見ていた。 「……で、俺とこういう事するのは嫌なのか?」 「い……嫌じゃないです。むしろ……すごく嬉しいです……」 恥ずかしかったけれど、正直な想いを加寿也君に伝えた。 「それは良かった」 笑ってくれた加寿也君の頬は、少しだけ紅く色づいていた。 「あ、あの、僕の事は先生と呼ばないで下さい。その……苗字や名前で呼ばれたいです……」 もう一度唇を逢わせようとする加寿也君を止めるように話してしまった僕。 「……承知した。じゃあ汐見殿と呼ばせてもらうかな……」 ふふっ、と笑った後、加寿也君は僕にもう一度接吻してくれたんだ。

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