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第21話
それから。
僕は住吉君(と呼ぶ事になった)と多い日は週に5回は一緒に過ごすようになり、かなり親しい仲になっていた。
けれど、僕は未だに住吉君が加寿也君の生まれ変わりだという確証が持てずにいた。
今日は住吉君がお休みで前日から家に泊まりに来ていて、夜遅くまでお酒を飲んでから朝を迎えていた。
住吉君は今や僕の家に寝間着用のスウェットや下着を置いたり、歯ブラシを置いたりしていて何だか通い夫みたいな感じになっていたりする。
「先生てさ、日本酒だと全然酔わねぇよな。俺、いっつも潰されてる気がする」
必ず僕より先に寝てしまう住吉君に、僕は居間で酔い潰れてしまった彼に毛布をかけるのが通例になっていた。
そして昼まで寝ている住吉君が起きてすぐご飯を食べられるように支度するのがすごく嬉しくて、すごく楽しかった。
「僕だって多少は酔ってますよ」
「多少だろ?最初の時みたいなの、あれから見せてねーじゃん」
「……あんな姿、もう絶対見せたくありませんからね」
酔ってしまったらうっかり加寿也君の事を話してしまうかもしれない。
僕は毎回ドキドキしながら住吉君とお酒を飲んでいた。
「決めた。今度ビール1ケース買って来て先生の事潰してやる。覚悟しろよ」
ムキになっている住吉君が可愛くて、加寿也君にもこういうところがあったなぁと思い出してしまう。
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