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第25話

まだ熱があったけれど、僕は住吉君に居間に連れて来てもらっていた。 縁側の、桜の見える場所。 桜はもう葉桜だったけれど、僕はこの場所で今まで僕が体験してきた話を、住吉君が加寿也君の生まれ変わりだと思うという話をした。 「マジかよ、信じらんねぇ。だからあんな顔してたのか……」 住吉君はそう言いながらも、僕の話を最後まで真剣な顔をして聞いてくれた。 「ここは……君と僕が一緒に過ごした場所を再現して作ったんです。君が僕の事を忘れても思い出せるように。でも……君は……」 泣いてしまった僕を、住吉君は優しく抱き締めてくれる。 「ごめんな、俺をずっと待っていてくれてたのに思い出せなくて。こうして生まれてきたのは、あんたに逢う為だったんだな」 住吉君の目にも涙が光っていた。 「住吉君……」 あぁ、僕は何を迷っていたんだろう。 声が違っていたって、この人は僕を迎えに来てくれたんだ。 生まれ変わって、それでもまた僕を好きになってくれたんだ。 「先生の事、その時よりもずっとずっと幸せにする。もう決してひとりになんかしない。約束する」 そう言って、住吉君は僕に口付ける。 「んん……っ……」 少し苦い味のする住吉君の舌が僕の唇に触れて、僕は住吉君に抱きつきながらその動きに応えた。 「先生の舌、エロい」 「や……あぅ……っ……!!」 一度唇を離して笑みを浮かべながらそう言うと、住吉君はもう一度僕と唇を逢わせてくる。 音を立てて吸われて、舌を甘噛みされて、僕は身体を震わせてしまってた。 「可愛い、その顔も、声も」 熱のせいもあるけれど、住吉君との接吻で、身体が溶けてしまいそうなくらいの熱さを感じて、胸がドキドキしていた。 住吉君が服を脱いだ後、僕の着物を脱がせて床に僕の身体を倒す。 「触って、俺の痣」 住吉君がそう言って、僕の手を左腕に触れさせた。 加寿也君よりは少し白い肌。 その痣は、僕にあの日の事を思い出させて少し胸が痛んだ。 「うーん……触ってもらえれば思い出せるかと思ったけど……やっぱダメだ。先生、こっちも触ってみて」 なのに、住吉君はそんな事を言い出したから、可愛いなって思ってしまった。 「思い出したいんですか?」 「そりゃ勿論。先生、見た目も今と違うんだろ?今も綺麗だけど、昔の綺麗でエロい先生の事、思い出したい」 「な……っ、僕は、そんな……」 住吉君にからかわれるように言われて、僕はドキッとしてしまう。 「エロくなかったら、キスだけでこんなにならないだろ?」 「や……あぁ……っ……!!」 身体を起こされて向かい合うように座らさせると、僕の雄と住吉君の雄が触れ合う。 「こんなに先っぽぬるぬるにしてるなんて、めちゃくちゃエロいな」 首筋を舐められながら住吉君の手に包まれると、すぐに達してしまいそうになる。 「あぅ……っ、ダメぇっ……」 「ダメ?嘘だろ。もう出そうになってんじゃん」 「ひぁ……あぁぁっ……!!」 根元から激しく扱かれて、僕は呆気なく住吉君の膝の上で達してしまっていた。 「……めちゃくちゃエロくて良かったな、先生のイった時の顔……」 「はぁ……あぁ……っ……」 自分でする行為の何倍も気持ち良くて、身体がびりびりする。 「先生、こっち来て。もっと気持ち良くしてやるから」 「あ……うぅ……んん……っ……!!」 住吉君に身体を持ち上げられてその熱くなっている雄のすぐ近くまで移動させられると、いつも自分で触れていた秘部に住吉君の指を挿入されていた。 「え……めちゃくちゃ柔らかいし濡れててねぇか?もしかして先生、俺のコト想ってココ弄ったりしてた?」 嬉しそうな住吉君の声。 そのゴツゴツとした指は加寿也君と同じで、僕の指では満たされなかった快感を僕に与えてくれる。 「うぅ……っ、そんな事……聞かないで……」 「俺の指こんなに締め付けて……スゲーエロい身体。よく我慢してたな、先生……」 自分でも分かってる。 住吉君の指を離すまいと締め付けているのを。 「ココとかイイんじゃね……?」 「ひぁ……やぁぁ……っ……!!」 奥に指の骨ばったところが当たって、僕はあられもない声を上げてしまってた。 「先生、反応良すぎ。……もっと啼かせたくなる……」 僕の額に接吻すると、住吉君は指を抜き、代わりにその雄を僕の秘部にあてがう。 「あ……あぁ……っ……!!」 先端が触れただけで、僕はどうにかなってしまいそうだった。 「先生……自分で挿れてみる……?」 そう言って、僕にその熱く堅くなって脈打っている雄を握らせてくる住吉君。 「や……そんな事……」 「ずっとこうしたかったんだろ?……やれよ」 「ひ……っ……!」 僕が躊躇うと、住吉君は僕の腰を掴んで少しだけ僕の内に挿ってくる。 冷たい無機質なモノとは全然違うものに、僕の胸はますます高鳴った。 「ん……っ、は……あぁっ……」 恥ずかしい。 自分から腰を進めながら淫らに喘いでいるなんて。 でも、少しずつ挿っていく住吉君のが僕のなかでドクドクと息づいているのを感じると、すごく幸せな気持ちになる。 「……めっちゃいい眺め……」 「ひゃ……ああぁ……っ……!!」 もう少しで全部挿りそう、という時に住吉君が僕を下から突き上げてくる。 僕はそれで達してしまっていた。 「挿れただけでイッちまうなんて……先生エロすぎ。ココもめちゃくちゃ締め付けてくるし……」 「あ……っあ、やぁ……っ……!!」 腰を動かす住吉君の呼吸がだんだん荒くなっていく。 僕はだらしなく涎を垂らすように雄から精を垂れ流し続けていた。 『あんたが俺の前だけで淫らになって俺を求める姿をずっと見たかった』 加寿也君の声が、すぐ傍で聞こえた。 「かずなりくん……っ……」 思わず僕はその名を呼んでしまう。 『晃一郎、愛してる。俺はこいつの、住吉尚道の中にいる。ずっと傍にいるから……』 それを最後に、声は聞こえなくなった。 「……っ、俺だけどそんな可愛い声で呼ばれてるの、悔しいな。俺の名前も呼んでくれよ」 「はぅ……っ、そこ……やぁ……っ……」 住吉君がそう言いながら奥を抉るように腰を動かしてくる。 気持ちいいところをその堅い雄で押し潰されるような感覚に、目の前がチカチカした。 「ひ……ひさみちくん……っ……すき……大好きです……っ……」 住吉君の腰の動きに応えながら、僕は言った。 「俺も……大好きだ、晃一郎……」 そう言って住吉君は僕に口付けてくれて、僕の中で達してくれた。 それでもまだ堅いままの住吉君は止まる事なく僕を抱いてくれて、僕は達し続けたまま愛され続けていたんだ……。

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