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第5話

店内に入り、座敷の空いた一角に座る。 レボリューションさんのところの社員たちを見ると、生理用品を扱う企業なだけに、女性社員ばかりなのだろう、と思いきや、男性社員もかなりいて、驚いた。 「では!レボリューションさんと我が社、きらめきの成長を託して!」 乾杯の音頭に互いの社員がビールを掲げ、そして、乾杯!の声と共にみんながみんな、笑顔でビールグラスを叩き合わせた。 ビールに口を付けながら、レボリューションさんとこの社員さんを伺う。 男性社員もいるが、やはり女性社員の方が数は多い。 どの人が中の人、だろう...。 もしかしたら、あの人かな、いや、この人かも、と美人な女性社員が笑顔で他の社員と会話する様子を見つめる。 料理も運ばれてきた。 レボリューションさんのとこの人に聞いた方が早いな...。 と、その前にお手洗いを済ませておこう、と立ち上がり、トイレまでの細い通路を歩いていたら、いきなり壁にぶつかった。 「いてぇ....」 思わず、額を押さえ、壁、を見上げると、180はありそうな絵に書いたようなイケメンが目を丸くし、口元を押さえ、俺を見下ろして固まっている。 「あ、す、すみません」 思わず、ぶつかったことを謝罪した。 「あ、い、いえ」 ぶつかったのが男の俺じゃなく、女性社員なら、ここから、目からハートが飛び出し、恋愛に発展するのかもしれないが。 残念だったな、きらめきの女性社員どもよ...。 俺はSNSの中の人、を探るべく、来たのだ。 話しが弾むかもしれない、さっさとお手洗いを済ませ、準備をせねば。

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